こんにちは!
就活を研究し続けて7年目、書いた記事は1000以上の就活マンです。
今回の記事では「就活における自己PRの定義」を詳しく解説していきます。
「志望動機」や「学生時代に力を入れたこと」は、定義が明確ですよね。
しかし、自己PRって意外と定義が曖昧で、それゆえに的はずれな回答をしている就活生が多い印象があります!
自己PRは就活における超頻出質問!
どの企業からも聞かれるがゆえに、自己PRを深く理解し、回答の質を高めることで選考突破率は間違いなく上がります。
自己PRの例文だけを紹介する記事が多い中、自己PRの定義を深く理解する記事があまりないのでこの記事を書くことにしました。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね!!
たしかに自己PRってなんとなく意味は分かるのですが、明確に何かと聞かれると答えることができません...!
そうだよね。自己PRとは何かと聞かれて、明確な回答ができないと、評価される自己PRを語りようがない。そこで今回は自己PRとは何か詳しく解説していくよ!
就活(新卒採用)における自己PRとは?
「自己PR」という言葉を見て、僕は最初「自分をPRすれば良いんだな」と思ってました。
だから「自分の長所を大量に羅列して、面接官にとにかくアピールすれば良い!」と最初は考えていたんですよね。
しかし、自己PRの「PR」の意味を深堀りすると少し違うことが分かります。
PRとは「パブリックリレーションズ」の略だということをまずは押さえておきましょう。
【自己PRを理解するポイント①】
自己PRの「PR」とは「パブリックリレーションズ」の略である。
PR(パブリックリレーションズ)とは?
ではこの「パブリックリレーションズ」とは何か?
これを定義している文面があったので引用しますね。
パブリックリレーションズ(Public Relations)は20世紀初頭からアメリカで発展した、組織とその組織を取り巻く人間(個人・集団・社会)との望ましい関係をつくり出すための考え方および行動のあり方である。
引用:日本パブリックリレーションズ協会「パブリックリレーションズとは」
要するに「パブリックリレーションズ」とは、「組織と組織や個人との良い関係作り」と言い換えることができます。
これを就活に置き換えると、「就活生と企業との良い関係作り」と言えますね。
【自己PRを理解するポイント②】
PR(パブリックリレーションズ)とは、就活生と企業との良い関係作りを意味する
就活における自己PRとは相手企業と良い関係を作れることの説得である
ここまでの内容が理解できると、就活における自己PRの定義が見えてきます。
PRが「良い関係作り」を意味するのなら、就活における自己PRとは「だから御社と私は良い関係を築くことができるんです!という説得」であると定義できます。
【就活における自己PRの定義】
就活における自己PRとは、相手企業と自分が良い関係を築くことができると説得することである。
ここを理解できると、自己PRの伝え方が見えてきます。
説明した内容を図で整理しておきますね。
上の図でもあるように、ダメな自己PRは「自分の強みをただ羅列する」という傾向があります。
例えば以下のような感じ!
【NGな自己PR例文】
「私の強みは発想力と行動力です。
とにかく新しいアイデアが思いつくので、常にアイデアノートを持参しています。
大学時代に発案したアイデアは100個以上になりますね。
また行動力も自信があり、それらのアイデアを元にビジネスコンテストに出場しました。」
一見、自分の強みを伝えているのでよく見えますよね?
しかしこれは単なる「強み」であって、「自己PR」ではありません。
先に説明したように、自己PRは「相手企業と自分が良い関係を築くことができると説得すること」なので、ただ強みを伝えるだけだと自己PRとして弱いんですよね。
よって先程のNG例文に足りないのは「だからどう御社に貢献できるか」ということ。
これを入れ込めば、僕が考える評価される自己PRに大きく近づきます。
先程のNG例文に、この「だからどう御社に貢献できるか」を加えてみましょう。
【自己PR例文】
「私の強みは発想力と行動力です。
とにかく新しいアイデアが思いつくので、常にアイデアノートを持参しています。
大学時代に発案したアイデアは100個以上になりますね。
また行動力も自信があり、それらのアイデアを元にビジネスコンテストに出場しました。
+ だからどう御社に貢献できるのか?
この発想力を活かすことで、貴社の営業職として働く際に、お客様からヒアリングした課題を解決するための案を発案することができます。
加えて、発案した内容を行動力を活かし、すぐに上司に相談、お客様に伝えることで信頼を獲得するとともに利益を上げます。」
いかがでしょうか?
強みを伝えた上で、その強みが相手企業でどう活かせるのかを伝えることができた。
これでようやく「相手企業と自分が良い関係を築くことができると説得すること」ができているし、PRの意味である「就活生と企業との良い関係作り」のための回答ができていることになります。
» 【自己PRと長所の違いは?】就活での“伝え方の違い”を共有!
なるほど!要するに就活における自己PRとは「強み+具体的な貢献内容」が基盤となるんですね。
僕は自己PRをそう定義しているよ!自己PRでただ強みを羅列し、説明する人が多いけど、それは「自己PR」ではなく、「強み」を聞かれた時の回答だよね。
就活で評価される自己PRの伝え方とは?
ここまで就活における自己PRの定義を紹介してきました。
自己PRを「相手企業と自分が良い関係を築くことができると説得すること」と定義したんですが、これをうまく伝えるためにはどうすれば良いか?
僕が就活生の時に設定した自己PRの構成を共有します。
【自己PRの回答構成】
- 貢献できる能力
- 具体的な貢献内容
- 根拠となるエピソード(課題・行動・結果)
- 自分の信条(=なぜその能力を重視しているのか)
- 入社後の抱負
書き出しは自己PRの基礎になる「強み+貢献内容」
最初に自己PRの書き出しは「貢献できる能力(自分の強み)」と「具体的な貢献内容」を伝えることで、自己PRとしての最低条件を満たしていきます。
(ここを伝えれば、ひとまず採用担当者の質問意図を満たせる)
ちなみに就活では、どんな質問の回答も「結論ファースト」が基本です。
「自己PRをお願いします」という質問に対する回答の結論は、まさに「強み+貢献内容」なのでここを回答すれば結論ファーストでの回答が可能になります。
(結論ファーストは文章では実行しやすいけど、面接だと本当に意識していないとなかなか実行できないので要注意!僕も常に意識するようにしてました!)
根拠となるエピソードで説得力を高める
加えて採用担当者が持つのが「本当にその能力を持っているのか?」という疑問。
そこを説得するために「根拠となるエピソード」を伝えます。
これは直近の大学でのエピソードを伝えるのがおすすめです。中学や高校時代の話をエピソードとして伝えると、「大学ではその能力を発揮していないの?」と思われてしまうので)
ちなみにエピソードは「課題→行動→結果」の順で伝えるのがおすすめ。
「◯◯という課題があった→◯◯の能力を活かして◯◯という行動を取った→◯◯という結果に繋がった」という形式ですね。
自分の信条を伝えることで更に説得力を高める
次に他の就活生と差別化するために組み込んでいたのが「自分の信条」です。
僕は発想力を強みとして就活生の時はよく話していました。
その時に「なぜそこまで発想力を重視するのか?」ということを話すんですよ。
例えば「発想力を活かすことで日常の中に些細な気づきを得ることができて、毎日が楽しくなるから」みたいな感じで。
これがまさしく自分の信条となります。
このように「なぜその能力を重視しているのか」を伝えることで、採用担当者側は「なるほど!そういう価値観を持っているから発想力を重視しているんだ!この子は発想力がありそうだな」と思ってくれる。
まさに説得することができます。
入社後の抱負で締めて勢いをもたせる
そして最後は自己PRの締め方に関してです。
文章の終わりは「入社後の抱負」で自己PRを締めていきましょう。
「貴社に入社した暁には、私のこの◯◯という能力を活かして◯◯します」と入社後の豊富を伝えてください。
この時、文末は必ず「〜します」「〜をお約束します」のように断定にしましょう。
「〜できると思います」「〜だと思います」「〜だと考えています」のような推定だと自信がない印象を持ってしまうんですよね。
新卒に対して、自信や若い勢いを評価する企業は多い。
だからこそ、文末は断定にして自己PR全体に勢いを持たせましょう!
なるほど!「強み+貢献内容」という自己PRの基盤に加えて、説得力をもたせるための根拠や信条、入社後の豊富を伝えて質を高めるイメージですね。
まさにそのとおり!こうして事前に構成を用意しておくと、自己PRは書きやすくなるし、面接でも回答しやすくなるよ!
新卒がチェックすべき自己PRの回答例文
では共有した自己PRの文章構成を元に、例文を紹介していきますね。
構成さえ押さえておけば、誰でも説得力のある自己PRが作成可能です。
【例文】
「私は1日に10個以上のアイデアを発案する「発想力」に自信があります。
▲まずは貢献できる能力、自身の最大の強みを伝えていきます
この発想力を活かし、貴社に入社後は常にお客様の課題のヒアリングに寄り添い、その課題の最適な解決策を発案することで信頼され、利益を生みます。
▲具体的な貢献内容を伝えることで相手企業と自分が良い関係を築くことができると説得します
私のこの発想力を発揮したエピソードが大学時代にあります。
朝の時間を無駄に過ごすのがもったいないと考え、毎朝スターバックスで30分、前日考えたアイデアをまとめることを実施。
その結果アイデアノートは計10冊を超え、例えば人気の飲食店に入れば「なぜ人気なのか」と考えたり、目を引く看板を発見した時に「なぜ目を引かれたのか」と考えるなど、日常生活の些細なことに着目することができるようになりました。
▲大学時代の根拠となるエピソードを伝えることで説得力を高めましょう
私がこれほどまでに発想力を重視する理由は、「考える時間を作ることで1日の密度が上がる」という信条を大切にしているからです。
▲自分の強みに対する信条を語ることで更に説得力を高めます
貴社に入社した暁には、私のこの発想力を活かし、活躍している先輩社員さんの働き方の工夫を盗んでより効率的な働き方を発案し、実行することで必ず貢献することをお約束します。」
▲入社後の抱負を断言することで自己PRに勢いを持たせましょう
この例文のとおり、構成を元にしてパーツとして考えることができれば、長文だろうがうまく自己PRをまとめることができます。
特に自己PRはエントリーシートでも長文を求められるので、いきなり書き始めるのではなく構成を用意してから書き出すのがおすすめですよ!
就活における「自己PRの質問意図」とは?
ここまで自己PRの定義と効果的な伝え方を紹介してきました。
この章では、採用担当者側の立場に立って「自己PRの質問意図」を把握しましょう。
以下のとおりツイートしたように、採用担当者の立場に立って考えることをしない就活生があまりに多いんですよね。
誕生日プレゼントで考えると分かりやすくて、「自分があげたい物」をあげるよりも「相手が今欲しい物」をあげる方が喜ばれるわけで。
そのためには“相手の立場に立って考える”ということが必要です。
就活で重要なことは
— 就活マン®︎ / 藤井智也 (@shukatu_man) December 3, 2020
“採用担当者の立場に立って考える”こと。
「なぜその質問をしてくるか?」
を把握し、(=質問意図の把握)
「じゃあどうやって伝えれば伝わりやすいか」
を考える(=最適な回答法の模索)
『自分が何を伝えたいか』よりも、まずは『相手が何を知りたいか』を考えると良き。 pic.twitter.com/uccN2Mu6UY
よってこの章では、「そもそもなぜ採用担当者は自己PRを求めてくるのか」という質問の意図を押さえていきましょう。
結論から伝えると、自己PRを求める採用担当者の意図は以下のとおり。
これらは実際に知り合いの採用担当者も「そのとおり」だと認めていました。
【自己PRの質問意図】
- その就活生を採用するメリットが知りたい
- その就活生の強みが自社で活かせるか確認したい
- 自己分析がしっかりできているか確認したい
- 説得力のある話し方・伝え方ができるか確認したい
質問意図① その就活生を採用するメリットが知りたい
まず自己PRを聞くことで「その就活生を採用するメリットが知りたい」と採用担当者は考えています。
特に応募が多い人気企業の場合、数千人、数百人の就活生を選考しないといけないため、「結局だれを採用するのが1番自社にとって自社へのメリットがあるのか」を素早く把握したいんですよね。
そう考えた時に、自己PRを聞くことで、その就活生を採用するメリットをザックリ把握することができる。
例えるなら、あなたが洗濯機を買いたいと悩んでいるとしましょう。
家電量販店に行ったら、なんと100種類もの洗濯機が並んでいます。
そこであなたが知りたいことは「結局どれを買うと1番大きなメリットがあるのか?」ということですよね。
そう考えた時に、店員さんにそれぞれのメリットを簡潔に説明してもらう。
それによってあなたは「この洗濯機のメリットが1番魅力的だな」と感じて、購入を決めるわけです。
自己PRを聞くことによって、結局のところ自社にどんなメリットを与えてくれる人物なのかを確認する。
それが自己PRの第一の目的と言えるでしょう。
質問意図② その就活生の強みが自社で活かせるか確認したい
続いて、先ほどの意図に近いですが、自己PRを通してその就活生の強みを聞くことで「その就活生の強みが自社で活かせるか確認したい」という意図もあります。
企業によって求める人物像は様々です。
バリバリ行動力があって話し上手な人を求める企業もあれば、一方でおとなしくて淡々と仕事をこなしてくれる人を求める企業もあります。
よって自己PRを通して、その就活生の強みを把握し、その就活生の強みが自社で活かせるのか?自社が求める能力や性格の持ち主なのか?を確認する意図があります。
質問意図③ 自己分析がしっかりできているか確認したい
ここまで紹介した2つの質問意図はすぐに思いつくでしょう。
しかし、自己PRの質問意図は他にもあって「そもそも自己分析がしっかりできているか確認したい」という意図もあります。
採用担当者は自己分析が事前にできていることを重要視するんですよ。
なぜなら、自己分析できていない人からの情報は不正確な可能性があるからです。
就活における選考とは「面接官が就活生との対話によって理解を深めて適性を測ること」と言い換えることができますよね。
その前提には「そもそも就活生自身が自分のことを相手に正確に伝えられるレベルまで自己分析できていること」があります。
要するに、正しくその就活生を理解して評価するためには、就活生自身がしっかりと自己分析できていることが必要になるということです。
【選考のプロセス】
就活生が事前に自己分析を通して自己理解を深めている
▲そもそもここがしっかりできていないと面接官に自分のことを正しく伝えられない
↓
自己理解を深められているので面接官に正しく自分のことを伝えられる
↓
面接官がその就活生について理解する
↓
面接官がその就活生との適性を判断する
よって自己PRを新卒に求めた時に「しっかりと回答することができること」は、自己分析ができていると判断する1つの材料になるんですね。
質問意図④ 説得力のある話し方・伝え方ができるか確認したい
そして最後の質問意図としては、「説得力のある話し方・伝え方ができるか確認したい」という意図があります。
自己PRは最初に説明したように「相手企業と自分が良い関係を築くことができると説得すること」であり、それがうまくできる人は「説得力がある話ができる人」や「論理的思考力がある人」と判断することができます。
以下は企業が新卒に求める上位能力ですが、6番目に「論理的思考力」がくるほど、企業は新卒に論理的思考力を求めています。
画像引用:経団連「高等教育に関するアンケート結果」
論理的思考力は簡単に言うと「主張に対する理由や根拠が明確なこと」であり、先に紹介した自己PRは「どんな能力があり、どう貢献できるのか」という“主張”と、「なぜその能力があるのか」という“根拠”を明確に伝えることができます。
このように説得力のある回答ができるかどうか、論理的思考力のある就活生かどうかを自己PRを通して判断しようとしているのです。
なるほど!自己PR1つとっても様々な質問意図があるんですね!
もちろん採用担当者によって質問意図は異なるけど、ほとんどの採用担当者が自己PRに対して持つ質問意図はこれら4つに当てはまるよ。
本記事の要点まとめ
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました!
「就活における自己PRとは何か?」、その定義が理解できたなら嬉しいです。
多くの就活生が「自己PRを作らないと!とりあえずテンプレを元に作成すれば良いか!」という考えで回答を用意します。
よって「そもそも自己PRとは何か?」「なぜこの文章構成をおすすめしているのか?」「面接官が考える自己PRの質問意図は何か?」という考えを元に、自己PRを作成する就活生は非常に少ないんですよね。
しかし、テンプレを元に作成するだけは単なる「作業」でしかありません。
自己PRの定義や面接官の質問意図を把握した上で、評価される自己PRを考える「思考」にこそ価値があると僕は考えています。
ぜひ本記事を通して、自己PRの作成を楽しんでくれる就活生が増えると嬉しいです!
その「思考」の時間は、きっとこれからの人生のあらゆる場面でプラスに働くし、そういう習慣を持てる人は評価される人材になると思います。
それでは最後に、本記事の要点をまとめて終わりましょう!!
【本記事の要点】
- 就活における自己PRの定義は「相手企業と自分が良い関係を築くことができると説得すること」である。
- 「相手企業と自分が良い関係を築くことができると説得すること」という自己PRの定義を満たすには、自分の強みや長所を伝えるだけでなく、「具体的にどう貢献できるのか」まで踏み込んだ回答が必要である。
今回の記事が少しでもあなたの就活の役に立ったのなら幸せです。
就活攻略論には他にも、僕が4年に渡って書き続けた600の記事があります。
ぜひ他の記事も読んでもらえると嬉しいです\(^o^)/