こんにちは!
就活を研究し続けて7年目、書いた記事は1000以上の就活マンです。
今回は経済産業省が認定している「ホワイト500」について解説します。
どんな企業をホワイト企業だと認定しているのかをチェックしつつ、そもそものホワイト500の信憑性についても切り込んでいきます。
「ホワイト企業」と一言で言っても、何をもってホワイトと言うのか曖昧です。
少しでもホワイト企業の特徴を把握することで、入社先の選択に活かしていきましょう。
経済産業省が認定しているので信頼できそうですね!
そうだね。でも認定されているかといって、確実に自分にとってホワイト企業だとは限らないから、その点は注意が必要だよ!
- ホワイト500とは?
- ホワイト500の認定要件とは?
- ホワイト500の認定企業一覧
- ホワイト500(健康経営優良法人認定)の信憑性は?
- 【企業向け】ホワイト500に認定されるメリット
- 【企業向け】ホワイト500を申請できる時期や手続き方法
- ホワイト500に関してその他よくある質問
- 本記事の要点まとめ
ホワイト500とは?
そもそもホワイト500とは何か?
ホワイト500とは、経済産業省が2016年につくった「健康経営優良法人認定制度」という認定制度のうち、大企業や大規模な団体を対象にした愛称のことを指します。
わかりやすく言うと、国からホワイト企業であるという認定を受けた大企業が「ホワイト500」と言うってことですね。
(ちなみに「健康経営優良法人認定制度」の認定を受けた中小企業については「ブライト500」と呼ばれています)
【補足】
ここで言う大企業の基準ですが、業種ごとに異なってきます。
業種別に一定の従業員数を満たすことが大企業部門であるホワイト500の対象です。
- 卸売業:101人以上
- サービス業:101人以上
- 小売業:51人以上
- 製造業その他:301人以上
- 医療法人/健保組合等保険者/社会福祉法人:101人以上
- 商工会議所/商工会/財団法人/社団法人:101人以上
- 地方自治体:301人以上
健康経営優良法人認定制度の概要について、経済産業省のページには次のように書かれています。
(わかりにくので読み飛ばしてOKです!)
健康経営優良法人認定制度とは、地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。
画像引用:経済産業省「健康経営優良法人認定制度」
なるほど!ホワイト500とは、経済産業省が認定したホワイト企業のうち、大企業や大規模な団体を指す言葉なんですね。
そのとおり! 「健康経営優良法人認定制度」の認定基準を見ていくことで、国が考えるホワイト企業の条件が見えてくる。一緒にチェックしていこう!
ホワイト500の認定要件とは?
ホワイト500は国がホワイト企業だと認定した大企業のことです。
よって「どんな基準で認定されるのか」を確認することができれば、国が考えるホワイト企業の条件が見えてきますよね。
これは企業側にとっても、就活生側にとっても確認しておくべきことです。
また「そもそも国の認定基準は本当に社員に寄り添った基準なのか」もチェックしていきましょう。要するに信憑性ですね。
「健康経営優良法人認定制度」の認定要件
健康経営優良法人認定制度の評価項目はサイトに公開されています。
(この認定基準について分析していくので、ここではサクッと目を通すだけで大丈夫ですよ!)
画像引用:経済産業省「健康経営銘柄2021選定基準及び健康経営優良法人2021(大規模法人部門)認定要件」
要するにこの一覧にある評価項目を満たすことで「健康経営優良法人認定」を受けることができるんですよね。
そしてこの評価項目ですが5つの部門で構成されています。
【健康経営優良法人認定の5つの評価軸】
- 経営理念
- 組織体制
- 制度・施策実行
- 評価・改善
- 法令遵守・リスクマネジメント
経営理念
まず「健康宣言」を社内外に発信していることが必須です。
この健康宣言とは、 企業全体で従業員の健康づくりに取組むことを宣言すること。
要するに「うちの会社は社員の健康づくりに取り組んでますよ」ということを、社内だけでなく社外にもしっかり発信していることが必要なんですね。
組織体制
次に経営層の中に「健康づくり責任者」を設置することが必須とされます。
偉い立場の人間の中に、しっかりと健康づくりに対する責任者を設けてくださいということですね。
制度・施策実行
続いて、上記の15項目のうち12項目以上を満たす必要があります。
「健康課題の把握・ヘルスリテラシーの向上・ワークライフバランスの促進・職場の活性化・病気の治療と仕事の両立支援・保健指導・生活習慣予防対策・感染症予防対策・過重労働対策・メンタルヘルス対策」の15項目ですね。
ちょっとこの部分がホワイト500の信憑性で気になりました。
「15項目のうち12項目を満たしていれば良い」という点ですね。
特に「過重労働対策(長時間労働)」に関して言うと、これを満たしていないだけでホワイト企業と言えるのか...と思ってしまいます。
(このあたりはホワイト500が完全なホワイト企業を保証するものではないと僕が考える根拠になってきます)
評価・改善
社員の健康診断のデータを共有することを求められることがあります。
社員の健康に対する評価と改善が必要となりますね。
法令遵守・リスクマネジメント
そして最後に定期検診の実施や、ストレスチェックの実施など、労働基準法や労働安全衛生法を遵守しているかどうかが求められます。
ホワイト500の認定企業一覧
ホワイト500の認定要件を確認したところで、「実際にどの企業が認定されているの?」と疑問に思うかと思います。
ホワイト500の認定企業ですが、安全衛生優良企業マーク推進機構の公式サイトから一覧を確認することができるのでチェックしましょう。
またホワイト500は大企業向けの認定である一方、中小企業向けの認定であるブライト500の認定企業一覧もあります。
ホワイトな中小企業を確認したい人はこちらをチェックしてください!
サイトで認定企業の一覧が見れるのは便利で良いなぁ!!
ホワイト500(健康経営優良法人認定)の信憑性は?
ここまで「健康経営優良法人認定」の認定基準を見てきました。
15項目のうち12項目以上を満たせば良いという点が気になりましたが、あまりに長い残業時間や休日が少ない場合は「法令遵守・リスクマネジメント」の部分に引っかかります。
よって健康経営優良法人認定は、ブラック企業なら認定がおりないでしょう。
ホワイト500の信憑性は高いと評価できます。
ですがもちろん「良い会社」の基準は個人によって異なります。
よって「ホワイト500の認定企業だから自分に合うだろう」と安易に判断するんじゃなくて、まずは自分にとってのホワイト企業の定義を明確化すること。
その上で、その企業が自分が設定した基準を満たすかどうかを口コミサイトやOB訪問によってチェックしていくことが重要だと僕は考えています。
ちなみに僕が考える「ホワイト企業に入社する方法」は下記の記事に書きました。
ぜひ合わせて読んでみてください!
【企業向け】ホワイト500に認定されるメリット
ここからは企業向けに情報を補足していきます。
まずは「そもそもホワイト500に認定されるメリットは何か?」ということ。
健康経営優良法人認定制度の認定基準を満たして申請までする必要がある。
そこまでするメリットがあるのかどうか気になるところですよね。
ホワイト500に認定されるメリットは大きく3つあります。
【ホワイト500に認定されるメリット】
- 採用活動でアピールすることができる
- 一般消費者や取引先に対して企業イメージの向上を測ることができる
- 従業員の生産性やモチベーションが上がる
メリット① 採用活動でアピールすることができる
まずホワイト500の認定企業であることは、採用活動で有利に働きます。
経済産業省による認定制度だからこそ、やはり信頼性がありますよね。
求職者からすれば「この企業はホワイト企業なんだ」と第一に思います。
「ホワイト企業に入社したい」「ホワイト企業に転職したい」というニーズは非常に多いので、ここをアピールできるのは大きなメリットとなります。
(実際に就活生と話していると、ホワイト企業への就職ニーズは非常に高いです!)
メリット② 一般消費者や取引先に対して企業イメージの向上が測れる
続いて、企業のイメージ向上を測ることができます。
「ホワイト企業=社員を大切にしている企業」だと認識できますよね。
取引するにしろ、商品を買うにせよその企業のイメージが良いに越したことはない。
また取引先としては、社員を大切にしていて永続性の高い企業と取引したいと考えます。
メリット③ 従業員の生産性やモチベーションが上がる
そして最大のメリットとしては、従業員の生産性が上がりますよね。
ホワイト500を取得する過程で、社員の健康増進や働きやすさを向上させることができれば、生産性とモチベーションが高まることは間違いない。
また現在は転職がどんどんしやすくなっています。
これは心理的にも仕組み的にもそうですよね。
転職がしやすくなり、人材の流動性が高まった時に「働きやすいホワイト企業」に人が集まることは間違いない。
従業員にそのまま働いてもらうためにもホワイト500の取得を通したホワイト企業化は非常に重要だと考えることができます。
【企業向け】ホワイト500を申請できる時期や手続き方法
ではこの章にて、具体的にホワイト500の申請時期や手続きの中身を解説します。
回答書の作成などかなり労力がかかるので、事前に全体感を掴んでおく必要がありますね。
ホワイト500の申請時期(スケジュール感)
画像引用:経済産業省「健康経営優良法人の申請について」
最初の作業である「健康経営度調査」を回答する時期が毎年8〜10月です。
ホワイト500への認定を希望する企業は、この時期には動く必要がありますね。
8月〜12月にかけて申請をおこない、発表されるのは翌3月となります。
申請をおこなってからホワイト500の発表に少し時間が空きますね。
ホワイト500の申請手続きの流れ
続いて、ホワイト500の申請の流れについてです。
こちらは経済産業省のサイトに詳しい流れが書かれていたので引用しますね。
①「健康経営度調査」に回答
健康経営度調査の入手方法、提出方法、説明会情報、問い合わせ先等については健康経営度調査専用ページをご参照ください。
②健康経営優良法人(大規模法人部門)の申請書の受領
健康経営度調査回答法人には「健康経営度調査フィードバックシート」が送付され、健康経営優良法人(大規模法人部門)認定基準に適合している場合は「申請書及び誓約書等」が同封されます。
令和2年度の「健康経営度調査フィードバックシート」は健康経営度調査専用ページをご参照ください。
③申請書の提出
主たる保険者との連名により、申請書類を健康経営優良法人認定事務局へ提出
※加入する保険者により申請スキームが異なります。
④健康経営優良法人認定委員会による審査
⑤日本健康会議による認定
ホワイト500に関してその他よくある質問
それではこの章では、ホワイト500に関してその他よくある質問に回答します。
疑問があればここでクリアにしておきましょう!
質問① ホワイト500を取得しても意味ないですか?
ホワイト500を取得することが、企業側としては求職者や取引先の企業に対して「ホワイト企業である」という安心感を与えることができます。
そもそもホワイト500の認定企業に対して、「本当にホワイト企業なのか!?」と突っ込んで探る人は少なく、ほとんどの人がホワイト500を取得しているというロゴを見て「ホワイト企業なんだな」と受け入れる。
こうした認定やロゴの効果は、その企業の第一印象に非常に良い影響を与えると考えています。
(だからこそ、求職者は認定やロゴを見てそのまま受け入れるのではなく、しっかりと何でその認定を取得できているのかを具体的に深堀りすることが重要です)
質問② ホワイト500は嘘の場合もありますか?
ホワイト500は経済産業省が認定している制度なので、信憑性は高いです。
これが民間による認定だと、もともとの繋がりや金銭的なことが裏にある可能性があるので信憑性は低くなりますが、その点、ホワイト500に嘘はないと考えられます。
質問③ ホワイト500とブライト500の違いは何ですか?
ホワイト500の他にブライト500という認定もあります。
この2つはロゴが似ているため、混同されがちですが、大規模優良法人部門の認定がホワイト500で、中小規模法人部門の認定がブライト500です。
要するにブライト500は中小企業向けのホワイト企業としての認定制度ですね。
同じく経済産業省による認定なので、こちらも信憑性が高く、就活生の立場から考えると「中小企業で知名度は低いけどホワイトな企業」を探すのにうってつけの認定です。
よってホワイト500以上に、ブライト500にも注目してみてください。
質問④ ホワイト500の認定企業の残業時間は?
ホワイト500の認定企業の残業時間ですが、一概には決まっていません。
なぜなら残業時間に関しては、認定要件のところに「過重労働対策」として、長時間労働に対する取り組みがされているということしか書かれていないからです。
過重労働対策とされているので、国が定める残業時間がの上限値である月45時間以内には留まっていると見て間違いないとは思いますが、あくまで推測です。
ホワイト500の認定企業に対して、明確に平均残業時間を設定して欲しいところですよね。
本記事の要点まとめ
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました!
ホワイト500の認定基準や信憑性について理解できたと思います。
僕の個人的な意見としては、就活生はやはり「自分にとってのホワイト企業の定義」を明確化することが重要だと改めて思いました。
国が基準とする「ヘルスリテラシーの向上」とか「保健指導」ってかなり曖昧ですし、僕も大企業にいたので分かりますが、全然助けにならない心理カウンセラーとかいますw
(この人に会社の不満を話したら絶対に上司にチクられるんだろうな...と思ってましたねw)
これらの基準を参考にするよりも、例えば「体育会系のオラオラ社員がいないかどうか」などの方が僕にとっては重要だったりする。
このように自分なりのホワイト企業の定義を作りましょう。
別記事にて、僕が重要視するホワイト企業の特徴をまとめています。
「【ホワイト企業の特徴15選】僕が参考にした「見分ける視点」を共有!」に書いたのでぜひ参考にしてくださいね。
今回の記事が少しでもあなたの就活の役に立ったのなら幸せです。
就活攻略論には他にも、僕が4年に渡って書き続けた600の記事があります。
ぜひ他の記事も読んでもらえると嬉しいです\(^o^)/