就活生の皆さん、こんにちは!
就活を研究し続けて7年目、書いた記事は1000以上の就活マンです!
僕は志望動機こそが、選考を突破する上での最重要質問であると考えています。
新卒一括採用において、内定辞退されることは人事にとって最悪です。
よって「内定を出したら絶対に入社してくれそうな志望度の高い就活生」を求めるのは当然ですよね。
このように面接官の立場に立つことで、志望動機の重要性が分かる。
でもほとんどの就活生は「志望動機を1社ごとに考えるのが面倒」だと、手を抜いてしまうんですよね。
そんな就活生のために今回は、志望動機への共感をベースとした志望動機の書き方、伝え方を解説していきたいと思います。
企業理念は企業ごとに違うので、志望動機として語るにはぴったりです。
ぜひ本記事を読み込んで、評価される志望動機を完成させましょう!!
志望動機として、その企業の企業理念を盛り込む方法が知りたいです。
企業理念への共感は志望動機の1つとしておすすめできる!詳しく解説していくね!
- 志望動機で企業理念への共感を語るのはアリか?
- 企業理念への共感をベースとした志望動機の書き方・作り方
- 企業理念への共感をベースとした志望動機の回答例文
- 企業理念に"共感できない"場合の志望動機の作り方
- 本記事の要点まとめ
志望動機で企業理念への共感を語るのはアリか?
まずそもそも「志望動機として企業理念への共感を語るのはアリなの?」と疑問を持つ就活生は多いと思います。
就活に正解はないですが、僕個人的にはめちゃくちゃおすすめの志望動機ですよ。
志望動機として企業理念への共感を語るのが適している理由は2つあります。
【志望動機として企業理念への共感が適している理由】
- 企業ごとに明確に違いが出るポイントだから
- 企業理念に共感してくれる人材を企業は強く求めているから
企業ごとに明確に違いが出るポイントだから
まず志望動機の難しいところは、「その志望動機なら他の企業でも良いのでは?」とツッコまれやすいことにあります。
実際に一緒に集団面接を受けた就活生は「そんなに英語力を使いたいなら、そもそも食品業界じゃなくて外資系行けば?」と言われ、回答に困っていたんですよね。
これを回避するためには「その企業じゃないといけない理由」を語る必要がある。
そしてその企業じゃないといけない理由を語るためには、「その企業と他の企業の違い」に着目することが重要なんですよね。
(恋人に愛を伝える時も、「他の人と違っていかにあなたが特別なのか」を語る必要があるでしょ!それと一緒!←何様w)
企業ごとの違いに着目すると、「企業理念」が絶対に違うことが分かります。
競合他社内で同じ企業理念を掲げる企業はほとんどないんですよね。
だからこそ、企業理念への共感を語れば「他の企業でも良いじゃん」と言われる可能性が下がるのです!
企業理念に共感してくれる人材を企業は強く求めているから
2つ目の理由は、企業側が企業理念に共感してくれる人材を求めているから。
そもそも企業理念への共感を語った時に、「企業理念に共感してくれる人材なんていらないよね」と企業側が考えていたら評価されないですよね。
しかし、どの企業の人事に聞いても企業理念に共感してくれる人材を求めていると話します。
これは当然で、そもそも企業理念に共感してくれない人材は辞める可能性が高いです。
カップルでも価値観が合わないと、結局別れるでしょ。それと一緒。
「私は価値観が合う人じゃないと付き合えないの!」と企業は言っている。
だから「僕は君の価値観がすごい理解できるんだ!」と共感してあげれば、付き合える可能性が上がるってことですね。(※就活の話をしています)
なるほど!企業理念は企業ごとに違うから、他の企業との違いを言及できる。かつ企業理念に共感してくれる人材を企業は求めているから有効なんですね!
そのとおり。この理由を把握した上で、企業理念への共感を志望動機に組み込んでいこう。
企業理念への共感をベースとした志望動機の書き方・作り方
志望動機として企業理念への共感を語るのが有効だとわかりましたね。
では本題に入っていきましょうか。
具体的に「企業理念への共感」をベースとした志望動機の書き方・作り方は以下の5ステップです。
【企業理念への共感をベースとした志望動機の作り方】
- 対象企業の企業理念を調べる
- 企業理念の詳細まで理解を深める
- 競合他社の企業理念を一覧化する
- 企業理念を比較して対象企業の特徴を明確化する
- 志望動機に落とし込む
ステップ① 対象企業の企業理念を調べる
今回は食品企業の「伊藤園」を例に志望動機を作りますか!
まず最初にするのは、対象企業の企業理念を調べることです。
「◯◯(企業名) 企業理念」と検索すると、上位に表示されます。
今回は「伊藤園 企業理念」と検索します。
最上位に表示された「経営理念・方針」のページを開いてみましょう。
そうすると、伊藤園の経営理念や社是が表示されます。
経営理念とは「経営者の企業経営に関する考え方」を指します。
伊藤園の場合は「お客様第一主義」という経営理念を掲げていますね。
社是とは「会社の経営方針」を指します。まさに会社の土台ですね。
社是と経営方針は似た内容になります。
というのも、社是があってその上で経営理念があるからです。
今回の「企業理念」は、これら経営理念と社是の両方をひっくるめて考えてください。
しかし特に重要なのは「社是」の方です。まずはこちらに着目しましょう。
ステップ② 企業理念の詳細まで理解を深める
対象企業の企業理念がわかったら、その企業理念の詳細まで理解を深めてください。
企業理念に対して考えるべきは以下ですね。
【企業理念の理解を深めるための考え方】
- その企業理念が設定された経緯は?
- なぜその企業理念を大事にしているのか?
- 実際にその企業理念がどんな部分に活かされているか?
これらの観点から企業理念を深堀りしていきましょう。
そうすることで、対象企業の企業理念への理解が深まります。
まずは社是を深堀りしていきましょう。
創業以来「誠実・努力・信頼」を社是としていると書かれていますね。
文頭の“お客様を第一とし”はまさに経営理念と一致します。
次に経営理念を見ましょうか。
「お客様」を消費者だけでなく、株主、販売先、仕入先、金融機関、地域社会の人々と設定しているようです。
もちろん自社の利益は重視しつつ、それ以上にとにかくお客様を第一に考えて商品を作ることを重視している会社だとよく分かります。
これらの社是や経営理念に対して、先に紹介した深堀りするための質問を当てはめて考えていきましょう。
その企業理念が設定された経緯は?
→不明(ホームページには書かれていない)
なぜその企業理念を大事にしているのか?
→「おーいお茶」を始めとした飲料・食品企業であり、人の体に入るものを扱っている会社である。それゆえに「利益」よりも「安全や安心」を重視すること。つまりお客様を第一にすることが重要だと考えているのだろうと予想。
実際にその企業理念がどんな部分に活かされているか?
→「おーいお茶」や「健康ミネラル麦茶」のように、化学添加物が無添加で、お客さんの健康に直結するような商品を作っている。
また商品デザインも非常にシンプルで、美味しさがダイレクトに伝わってくるのがお客さん視点で作られていると感じる。
→2001年から始めた「お~いお茶」の茶畑を作る茶産地育成事業。
お茶の生産者に伊藤園の技術を提供することで、更においしく安全な商品を作ることに注力している。
企業理念を見て、ちゃんとここまで深堀りすることが大事です!
ほとんどの就活生が「考える」という作業をしません。
「企業理念はこれなんだな、ふーん」で終わりなので、しっかりとここまで考えることで差を付けることができますよね。
例えば、ここまで深堀りできれいれば、面接の逆質問で「御社の商品のパッケージデザインは、美味しさがダイレクトに伝わってくるシンプルなデザインで素晴らしいなと思うのですが、これも経営理念にあるお客様第一の視点から、お客様の立場に立って考えられているのですか?」のような質問もすることができますよね。
(よく企業研究ができているな!と思われますよ!)
事前にしっかり調べているからこそ、面接で何を聞かれても対応できる。
志望動機を作りつつ、面接対策にもなることを覚えておいてください!
ステップ③ 競合他社の企業理念を一覧化する
対象企業の企業理念への理解が深まりましたね。
志望動機で企業理念をベースにする上で重要なのは、「他社との違い」に着目することです。
そもそも志望動機は、他社との違いに着目して「その企業の特徴」を明確化、その企業ならではの特徴を言及して「だから御社じゃないとダメなんです」と伝えること。
よって志望動機を作成する時は、常に他社との違いに着目しましょう。
企業理念も同様で、まずは競合他社の企業理念を一覧化する必要があります。
【伊藤園の競合他社の企業理念】
- コカ・コーラ:地域密着 / 顧客起点 / 品格 / ダイバーシティ
- サントリー:やってみなはれ / 利益三分主義(事業への再投資・お得意先やお取引先へのサービス・社会への貢献)
- キリン:自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します
- アサヒ:期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造
このように競合他社の企業理念を洗い出してください。
数としては3社以上、見ておきたいところですね。
ステップ④ 企業理念を比較して対象企業の特徴を明確化する
それでは対象企業の企業理念と、競合他社の企業理念を洗い出すことができました。
ステップ④では、競合他社の企業理念と比較し、対象企業の特徴を明確化します。
伊藤園の企業理念は他と比較してどうでしょうか?
【伊藤園の企業理念の他社との違い】
・「お客様第一」だけに絞って徹底的にこれに注力しているという点が異なる。
(他の企業は「お客様」以外の理念も合わせて掲げているところが多い)
・経営理念がとにかくシンプル。他社は回りくどく抽象的である。
このように競合他社との違い(=対象企業の特徴)を明確化することができました。
ここに共感を示すことによって、企業理念に共感する志望動機が完成します。
ステップ⑤ 志望動機に落とし込む
いよいよ最後のステップです!
ここまで明確化した対象企業の企業理念の特徴を、志望動機に落とし込みましょう。
ちなみに僕がおすすめする志望動機の文章構成はこちらです。
今回の企業理念への共感は「なぜその業界の中でもその企業なのか」という部分に使う形になりますね。
【志望動機の文章構成】
・結論(御社が◯◯業界かつ掲げる企業理念に唯一共感した企業だから)
・なぜその業界なのか
・なぜその業界の中でもその企業なのか
・企業選びの軸と一致している点
・結論
では「なぜその業界の中でもその企業なのか」への回答を作成しましょう。
競合他社との違いに触れつつ、企業理念に共感を示すのがポイントです。
【なぜその業界の中でもその企業なのか】
飲料業界の中でも御社じゃないといけない理由があります。
それは御社の「お客様第一」という経営理念に深く共感したからです。
競合他社は顧客視点の重要性を唱えつつも、地域密着や利益三分主義など複数の理念に分散している企業ばかりです。
私は働く上で「価値を生み出すこと」を重視しています。
どうすれば価値を生み出すことができるのか?それはまさにお客様第一の視点で常に考えることだと思うのです。
だからこそ、お客様第一を経営理念として掲げる御社でこそ尽力したいと考えました。
他社との違いに触れることで、聞き手は「なるほど、だから自社なのか」と思いますよね。
この5ステップを踏めば、企業理念に共感する志望動機を作ることができます。
次の章にて、完成した志望動機の例文を見ていきましょう。
企業理念への共感をただ語るのではなく、「競合他社との企業理念の違い」を踏まえた上で共感することで納得度の高い志望動機ができそうですね。
まさにそのとおり。競合他社との比較をしないと、その企業ならではの特徴は分からないからね。
企業理念への共感をベースとした志望動機の回答例文
それでは企業理念への共感をベースとした志望動機を完成させましょうか。
先ほど紹介した文章構成を元にして、例文を紹介します。
【回答例文】
「私が貴社*を志望した理由は、貴社が飲料業界かつ企業理念に深く共感したからです。
(〜結論)
まず私が飲料業界を志望する理由は、昔から飲み物に対するこだわりが人一倍強く、食べ物よりも手軽に摂取できるからこそ、飲み物にはこだわりを持つ私の信念を活かせると考えたからです。
(〜なぜその業界なのか)
飲料業界の中でも貴社を志望した理由ですが、それは貴社の「お客様第一」という経営理念に深く共感したからです。
競合他社は顧客視点の重要性を唱えつつも、地域密着や利益三分主義など複数の理念に分散している企業ばかりです。
私は働く上で「価値を生み出すこと」を重視しており、まさにお客様第一の視点を持つ貴社で尽力することで価値を生み出すことができると考えました。
(〜なぜその業界の中でもその企業なのか)
また貴社は私の企業選びの軸である「提案型の営業」を満たしています。店舗を回っていかに良い売り場作りができるのか提案する仕事内容にやりがいを感じます。
(〜企業選びの軸と一致している点)
以上が私が貴社を志望する理由です。貴社に入社した暁には、常にお客様の立場に立って考え、価値を生み出し、結果的に利益を生み出す。そんな人材になることを誓います。
(〜結論)
*エントリーシートやメールなどの文章では「貴社」で、面接では「御社」と相手企業のことを敬称しましょう
いかがでしょうか?
この志望動機を披露することができれば、面接官から「それなら他社でも良いのでは?」とツッコまれることはないですよね。
僕は「評価される志望動機=納得度の高い志望動機」と考えてます。
競合他社との企業理念の違いを明確化することで、納得度が高い志望動機になっていますよね。
加えて、自分の企業選びの軸と一致していることを語ることにより、更に納得度を高めることができます。
志望動機の詳しい作成方法については別記事で解説しました。
本記事と合わせて読み込むことで、志望動機の対策になることは間違いありません!
聞き手の納得度が高い志望動機こそが、評価される志望動機。メモメモ。
企業理念に"共感できない"場合の志望動機の作り方
志望動機として、企業理念をベースにしようと考えた時、「そもそも企業理念に共感できないな」って場合がありますよね。
そんな企業理念に共感できない場合は、どうやって志望動機を作れば良いのか?
それは簡単で、企業理念以外の競合他社との違いに着目しましょう。
企業理念以外にも企業ごとに違い(特徴)は様々です。
企業ごとに違いが出やすい部分を下記に一覧化しておきました。
企業理念に共感できない場合は、別の部分に着目すれば問題ないですよ!
【競合他社との違いが出やすい部分(企業理念以外)】
- 実体験の有無
過去に自分がその企業の商品やサービスを受けたことがあるなど。
競合他社のも受けている場合は、それと比較して感じたその企業の商品やサービスの良さ。 - 経営計画(長期ビジョン・短期ビジョン)
経営計画にも企業ごとに違いが出やすいです。
長期的にどんな価値を提供したいのか、どんな会社になりたいのかを調べ、そこへの共感を語るのも良いですよね。 - 商品の付加価値(独自技術など)
同じ業界だろうがその企業が提供する独自の商品価値があります。
それを徹底的に調べることで、その企業だけの特徴が見えてきます。 - ターゲット層
同じ業界で同じ商品やサービスを扱っていてもターゲット層が異なる場合もあります。自分が若者に価値を届けたいのか、高齢者に価値を届けたいのか、主婦に価値を届けたいのか、などなど自分の価値観と照らし合わせて語ることができます。 - 市場シェア
特に「業界No1」の企業に対しては有効で、例えば「業界No1だからこそ最も大きな価値を提供することができると考えた」など語ることができますよね。業界No1というのは競合他社と比較した時の唯一無二の特徴と言えます。 - 社員さんの性格
そこで働く企業の社員さんの性格にも企業ごとに違いが出ますよね。
「競合他社のほとんどは◯◯な性格の社員さんが多かったが、御社だけは☓☓な性格の社員さんが多く自分に合うと考えた」などの語りができますよ。 - 社風
社員さんの性格と似ていますが、会社ごとに社風は異なります。
体育会系な社風、社員同士の仲が良い社風、プライベートとの両立を大事にする社風などなど色んな社風の企業があります。 - 求める人物像
求める人物像も企業ごとに違いますよね。
「求める人物像=その企業で活躍しやすい人の特徴」なので、自分がそれに当てはまる場合はアピール材料になります。 - 社員の平均年齢
同じ業界でも社員さんの平均年齢に大きな違いがあることもあります。
若い人が多いところで働きたいなど語ることが可能です。
「志望動機が全く思いつかないよ!」という就活生向けの記事も書きました。
企業理念に共感できないために、志望動機が全然思いつかないという方はこちらの記事を参考にしてくださいね。
なるほど!無理して企業理念だけで考える必要はないんですね。
そうだよ。競合他社との違いを明確化して、そこを語るようにすれば、それが企業理念じゃなくても納得度が高い志望動機が作れるよ。
本記事の要点まとめ
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました!
人事の方に話を聞くと、「企業理念に共感してくれる人材を求めています」という声が本当に多いんですよね。
だからこそ、この記事で解説した志望動機の作成方法はめちゃくちゃ人事に刺さります。
志望動機は1社ごとに作成する必要があるので、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)や自己PRよりも作るのに手間がかかります。
手間がかかるから、ほとんどの就活生が手を抜く。
そこであなたは力を入れましょう。
そうすることで他の就活生との明確な「差」が生まれます。
特に倍率が50倍以上の大企業なんて、他の就活生と差がないと受かるわけありませんよね。
意識的に他の就活生と差を生み出し、内定を目指しましょう。
そのための情報をこれからも就活攻略論で発信し続けます!!
それでは最後に、本記事の要点をまとめて終わりましょうか。
【本記事の要点】
- 志望動機として企業理念への共感を盛り込むのはおすすめ。
- 企業理念は抽象的な場合も多いので、自分なりにその企業理念を具体化して、なぜ共感したのかを詳しく語ることが重要。
- 企業理念に共感できない場合は、企業理念以外のことを語ること(志望動機は正直に語ることが重要。嘘は相手にバレるし、追加質問されてしまうと答えることができない)