就活生や転職者のみなさん、こんにちは!
これまで7年、書いた記事は1500記事を超え、求人サイトの運営まで始めた"日本イチの就活マニア"こと就活マン(@syukatu_man)です!
今回は採用担当者の方向けに「新卒社員を採用するときにかかるコスト」について解説していきます。
(僕自身、就活専門ブロガーであると同時に、会社経営者でもあり、このメディアを運営していることで人材業界とのつながりもあるので、新卒採用に関する情報も豊富だったりします。)
企業規模や採用媒体にもよりますが、新卒ひとりあたりの採用コストは100万円近い金額になる。
10人採用するだけでも1000万円が飛んでいくので、毎年「何とか削減できないのか」と頭を悩ませている採用担当の方も多いと思います。
特に最近は、早い段階で転職をしてしまう新人の方が多くなっているため、かかったコスト分を回収できずに辞められてしまう企業も多い事でしょう。
そこで本記事では、採用コストの内訳を詳細に解説した後、具体的なコスト削減方法を8つ共有していきます。
また重要なポイントである「なぜ就活生が内定辞退をしてしまうのか」についても触れるので、就活生の目線もしっかりと理解して、採用コストの効率的な利用方法を理解してくださいね。
採用コストの削減方法、色々な事例は気になりますね。
8つのアプローチを共有するから、ぜひ自社の採用活動に活かしてほしい!
新卒の採用コストとは|内訳と算出方法
まずは、新卒採用コストの内訳から確認していきますね。
人件費やイベント費用など、新卒採用にかかるコストは多種多様です。
内訳や算出方法を先んじて把握し、どうすれば削減できるのかを考えていきましょう。
採用コストの内訳は内部コストと外部コスト
採用コストの内訳は大きく分けて「内部コスト」と「外部コスト」の2種類に分かれます。
“内部コスト”は見えにくい会社内部のコスト、“外部コスト”は求人掲載などの外部に出ていくコスト、と区分けされますね。
とは言っても抽象的なので、それぞれのコストについて例を出すと以下の通り。
内容 | |
---|---|
内部コスト | ・採用担当の人件費 ・採用担当及び内定者の交通費・宿泊費等 ・研修や懇親会等の交際費 ・リファラル採用のインセンティブ |
外部コスト | ・求人広告費 ・会社パンフレット制作費 ・採用HPや説明会動画の製作費 ・会社説明会等イベントの会場費 |
また当然ですが、「採用コスト=内部コスト+外部コスト」という算出になるため、表内のコストをいかに最適化できるかが重要です。
例えば「求人広告に力を入れたいが、予算は前年度と同じ」という場合は、「広告に力を入れる(外部コスト)分、採用業務を効率化して人件費(内部コスト)を削減しよう」といった感じ。
以上のコストを理解したうえで、採用する目的や人数に応じて内部コスト・外部コストのバランスをしっかりとるようにしましょう。
主要採用コストの金額例
前述したコストの中でも金額に差があるので、それぞれの項目についてかかる金額を明示しておきますね。
項目 | 金額例 |
---|---|
求人サイト掲載料 | 20万~180万円 |
成果報酬型サイト料金 | 40万~80万円(ひとりあたり) |
イベント開催費 | 40万~100万円(1回あたり) |
自社ホームページの改修費 | 10万~150万円 |
採用システム導入費 | 0~10万円(月額) |
期間やプランなど、詳細な情報によって変わるので料金の幅は広くなりますね。
また、このほかにも「説明会動画・パンフレットの制作費用」や「内定者の旅費・交通費」などもありますが、状況によって変わりすぎるのでここでは掲載していません。
1発で100万円飛ばすサービスも多々あるので、採用コストと照らし合わせながら慎重に選びましょう。
改めて見ても、新卒採用にかかる金額って本当に高いですよね。
優秀な人材をみんなで取り合うわけだから仕方ないよ。次章では、実際どれほどの金額がかかっているのかを共有するよ!
新卒採用ひとり当たりの平均採用コスト
続いて、新卒採用にかかる金額にフォーカスして解説していきます。
リクルートが発表した「就職白書2020」によると、2019年度の新卒一人当たりにかかった採用コストは93.6万円。
2018年の71.5万円から20万円以上の金額となりました。
以降、コロナによって企業側も採用にコストを割いている場合ではなく、この増加傾向は少し破壊されましたが、オンライン移行等の費用がかさむため、これからもある程度は増加の傾向をたどると考えられています。
また大きな流れとして、標準化されてきた転職や、労働力のシェア(フリーランス)など、多様な働き方が目立ってきたので、企業も就活生とより強い接点を持っておかなければ内定を辞退されることも多いようですね。
平均採用コストの推移
以下に示すのが、ここ数年の新卒採用コストの推移です。
直近2年ほどにおいて、劇的なスピードでコストがかさんできているのが分かると思います。
HR NOTE「採用コストをどう下げる?採用コストの管理から削減方法までを解説」
コストがかさむ大きな理由として、「労働人口の減少」が挙げられるでしょう。
国内の若手人員不足は近年顕著になっており、人手が足りない企業がどんどん増えています。
よって、少ない新卒を多くの企業で取り合わなければならないため、広告やイベント等の採用コストが膨らんでいるのです。
また、急なデジタル移行についていくためのコストなども理由としてあげられるかと思います。
前述の通り、この流れは一部コロナによって阻害されたものの、今後も新卒ひとりあたりの採用コストは上がっていくと考えられる。
したがって、「どうやって採用コストを最適化していくか」という視点がより重要になるわけですね。
採用コスト総額の相場は大手と中小企業で大きく異なる
新卒ひとりあたりの採用コストを共有しましたが、採用コストの総額についても共有しておきましょう。
マイナビが2019年卒を対象に発表した「2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」によれば、企業が投じた新卒採用コスト総額の平均は557.9万円でした。
企業のコスト削減努力もあり、少しずつ総額は下がりつつありますが、毎年だいたい550万円前後にとどまるようです。
ただし、こちらの金額は規模に関わらずすべての企業を対象としているため、大企業も中小企業もごちゃまぜで平均を取った値なので注意が必要。
詳細にお伝えすると、上場している大企業の採用コスト総額の平均は1783.9万円。
一方、中小企業は375.1万円と、平均550万円と言えど中には1400万円程の振れ幅があるわけです。
ご自身の企業がどちらに値するのかを考えながら参考にするのがオススメですね。
新卒ひとりあたりにかける金額は年々増加しているんですね!
全体的に若手が不足しているから、新卒ひとりひとりにフォーカスして金額をかけているんだ!
新卒採用コストを削減する方法【節約法8選】
それでは本章から、具体的な「新卒採用コストを削減する方法」を共有していきます。
内訳を見るだけでたくさんの要素がありますから、アプローチの仕方も多様です。
自分が身を置く企業の状況と合わせて、もっとも効率的な方法を実践してみてくださいね!
【新卒採用コストを削減する方法】
- HP製作に力を入れる
- 費用対効果の高い採用手法を取り入れる
- インターンシップを導入する
- 内定者フォローで内定辞退者を減らす
- 早期離職率を下げて採用コストを回収する
- 助成金を活用してみる
- 内部コストに着目する
- 外部コストに着目する
方法① HP製作に力を入れる
まず1つ目は「HP(ホームページ)製作に力を入れる」ですね。
当たり前ですが、採用ポータルサイトなど他媒体に求人を載せるとコストはかさんでいくばかりです。
自社の採用HPに力を入れておくことで、お金のかからないチャネルを用意できますから、コスト削減には必須の項目でしょう。
実際、総務省が発表した「ICTインフラの進展が国民のライフスタイルや社会環境等に及ぼした影響と相互関係に関する調査研究」によれば、「就活の情報源として企業HPを参考にする」と回答した方は全体の89.6%でした。
それほど企業HPというのは就活生にとって大切な情報源ですし、無かったり使いにくかったりすると「この企業お金ないのかな。辞めとこ。」と思われる可能性もかなり高い。
よりマッチした人材と出会うためにも、HPへの力量はしっかりとかけましょう。
ただし注意点として、企業HPは基本「◯◯株式会社 採用」と検索しないと出てきません。
言い換えれば、すでに興味を持ってくれている人間としか出会えず、まだ会社名すら知らない人材と出会うのは少し難しいでしょう。
よって、SNSや他サイトなどを活用して、自社HPへの流入口をたくさん用意しておくことが重要になります。
自社にとってより良い媒体を選択し、就活生との接点を豊富に築けるようにしましょう。
コンテンツを充実させて業務理解を仰ぐ
では、企業の採用HPには、具体的にどんなコンテンツを入れていけば良いのか。
どんな仕様なら、就活生が興味を持ってくれるのかを解説していきますね。
まずは採用HPなので、「業務理解が深められる」内容を入れておくと良いでしょう。
例えば、以下のような要素を拾えるコンテンツですね。
【新卒採用HPに入れるべきコンテンツ】
- 1日の業務の流れ
- 先輩社員の声・インタビューコンテンツ
- 習得できるスキル・将来像について
- 福利厚生内容まとめ
- よくある質問への回答
これらの内容を盛り込んでおけば、ある程度理解の深まった状態の就活生を集められるでしょう。
(形式としては、YouTube動画でも他サイト掲載でも構いません。)
業務理解の深まった状態で集まってくる就活生ですから、当然ミスマッチは起きにくくなり、付随して「内定辞退」や「早期退職」などの数も少なくなるはずですね。
会社説明会の動画を掲載する
会社説明会は動画として残しておくのがオススメです。
もちろんイベント等で直接就活生と会うのも重要ですが、動画として残しておくと就活生側はいつでも好きな時に見られる。
これは双方にとって得なはずです。
イベントを1回開催するのにはコストも時間もかかりますから、動画として残しておけばコスト削減につながります。
人件費も会場費も広告費も馬鹿にならないので、一度作ってしまえば年通して価値を出せる「説明会動画」は必ず残しておきましょう。
HPをスマホに対応させる
あとは「スマホ対応の充実性」ですね。
WebサイトはPCとスマホで画面が変わりますから、当然スマホ用の動作も充実させないといけません。
コロナでPCを持つようになった学生も多いですが、依然いつでもどこでも閲覧できるスマホの需要は高い。
そんなときに、スマホ用のサイト構成が見にくかったり、動作が重かったりすると、せっかく興味を持ってくれた学生をみすみす逃してしまいます。
したがって、こちらは完全なエンジニア領域ですが、しっかりとスマホ対策しておく必要があるというわけです。
デザインに関しては、文字が多すぎないシンプルな形を追求するのが良いでしょうね。
図やイラストで視覚的に伝わる内容の方が分かりやすいですから。
重さに関しては、できるだけ“ページ遷移”が少ないものにすると良いですね。
サイトは、ページを移動する度にローディング時間がかかりますから、1つのページですべてを説明できる縦長の構成がおすすめです。
こちら分かりづらいと思うので、以下にお手本となるようなサイトを紹介しておきます。
(「見やすいサイト無いかなあ」と探していたら、たまたま見つけました!)
「StockSun株式会社」というWeb系の企業ですね。
方法② 費用対効果の高い採用手法を取り入れる
2つ目のコスト削減方法として、「費用対効果の高い採用手法を取り入れる」が挙げられます。
広告をバンバン出して、自社の方向性に共感していない学生ばかり集めても、採用にかかったコストは全く回収できずに辞められてしまいますからね。
当然、できるだけ少ないコストで、同じ志で働いてくれる学生を見つけるための採用手法を取り入れるのがベストです。
SNSの普及とともに、ますます声の上がってきた3つの手法を共有するので、ぜひ積極的に取り入れてみてください。
【費用対効果の高い採用手法】
- リファラル採用
- ダイレクトリクルーティング
- 採用代行の利用
リファラル採用
リファラル採用とは、社員に人材を紹介してもらう採用手法のこと。
企業と新卒の間に、双方をよく理解している信頼できる社員が立つため、自社にマッチした人材を低コストで採用することができます。
また、よく縁故採用(コネ採用)と合わせて扱われますが、縁故採用は肉親などの裏口入社なのに対して、リファラル採用は紹介以降に厳しい採用フローがあることが前提です。
あくまで採用のスタートラインまでの紹介ということですね。
大きなメリットは、「採用コストの削減」と「企業にマッチした人材を採用できる事」の2つ。
求人サイトに広告を掲載することなく、業務理解の深まった人材が選考を受けるわけですから、上記2つがメリットであることは間違いないでしょう。
ただ、リファラル採用では、社員に紹介料として「インセンティブ(紹介報酬制度)」を与えるのが一般的です。
1採用につき数万円~20万円の報酬であったり、それ相応のギフト券などが与えられるケースもありますね。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、企業が直接学生にアプローチをする採用手法です。
従来の採用手法では、求人サイトへの広告掲載や自社採用ホームページなど、企業側は「待つ」のが一般的でした。
しかしダイレクトリクルーティングでは、企業側から自社にマッチする学生に直接スカウトメールを送って接点を作ります。
潜在層へのアプローチもできますし、もとから企業側が選んだ人材のみ選考に参加させることができますね。
媒体としてはSNSも良いですが、基本的には「逆求人サイト」を利用するのがおすすめ。
逆求人サイトとは、まさにダイレクトリクルーティング用の就活サイトで、僕も当サイト(=就活攻略論)で何度も紹介しているサービスですね。
サービスの使いやすさや登録している就活生の質から考えるに、「Offerbox(オファーボックス)」「ホワイト企業ナビ」あたりがおすすめです!
就活生のプロフィールを見て、スカウトを送るか否か判断できるので、ES選考を省けるという点でもおすすめしたいサービスですね。
採用代行の利用
採用体制がしっかり整っていない場合は、採用代行を利用するのも1つの手だと思います。
もちろん自社で行えた方がコストはかからないのですが、不完全な体制でいい加減に進めると無駄な作業に工数を取られる可能性もあるので、選択肢の1つとして考えるべきサービスと言える。
利用できるサービスを一覧にすると以下の通りです。
【採用代行が提供しているサービス】
- 採用媒体選定・運用
- スカウトメール配信・エントリー対応など全連絡業務
- 説明会・面接等の日程調整
- 募集計画・プランの立案
- 採用広告の作成・運用
- 面接官トレーニング
- 各種イベント運営
- 面接・合否決定・研修代行
- 内定者フォロー
既存の新卒採用チームは、採用代行のサポートを受けることでコア業務に集中できたり、採用のノウハウを代行チームから吸収することができる。
またそれに応じて、中長期的に見ると全体的な採用コストを削減できることもあります。
自社採用チームの運営体制が完璧に整っていないという会社は、ぜひ「採用代行」というのも一度考えてみることをおすすめしますね。
方法③ インターンシップを導入する
インターンシップは知っての通り、学生が企業で就業体験を行うものですね。
就活の早期化や、学生の「働く姿がイメージできない」という声を背景に、実施する企業が増えてきました。
期間は1日から1年以上と幅がありますが、採用コストを減らすためという観点で見れば、重要なポイントは以下2つ。
【採用コスト削減のためのインターンシップのポイント】
- 業務理解を深め、「ここで働くんだ」という意思を育ててもらう
- かかった採用コストを学生自身に回収してもらう
この2点から考えるに、2週間から半年以上の中長期的なインターンシップを開催するのが良策と言えそうです。
実体験によって業務理解をしてもらえますし、学生のうちから売上を上げてもらえばコスト回収に時間もかかりません。
逆に、「採用したい学生に目をつけるための1dayインターンシップ」を開催する企業もあると思いますが、ここで目を付けられる学生は割と他の企業に行ってしまうことも多い。
したがって、かなり短期のインターンシップを開催するなら、業界でもトップクラスの人気を誇る大企業でないと効果は得られないでしょう。
自社の規模や状況に合わせて、期間やプログラムを最適化したもっとも効率的な形を模索すると良いですね。
方法④ 内定者フォローで内定辞退者を減らす
コスト削減方法4つ目は、「内定者フォローで内定辞退者を減らす」です。
そもそも新卒採用ひとりあたりのコストがかさんでしまうのは、内定辞退者が多いのが直接的な原因ですよね。
リクルートが発表している「就職プロセス調査(2022年卒)」によると、毎年60%前後の学生が内定を辞退するようです。
こちら平均の値なので、辞退率がもっと低い人気企業もあれば、はるかに高い内定辞退率を誇る企業もあるでしょう。
半数以上の内定者が辞退するわけですから、ひとりあたりの採用コストが必然的に上がってしまうのも当然ですね。
(半数以上の内定辞退も計画のうちに入れている企業もたくさんありますが)
よりよい距離感の内定者フォローを実施することで、採用の確度はどんどん上がってくるでしょう。
具体的な事例としては、以下のようなものが挙げられます。
【内定者フォローの事例】
- 個人面談/社員訪問
- 内定者懇親会
- 社内イベントの参加
- 内定者アルバイト/インターンシップ
- 業界本の読書レポート
- 指定した資格の取得
- 各種研修など
もちろんただ実施すればよいだけではなく、気を付けるポイントはたくさんあります。
例えば、適切な距離感を保てず、入社前から接点を作りすぎたり、逆に放置しすぎて「大丈夫かなこの会社」と思われたり。
会社にもよりますが、あくまで入社は来年の4月なので、それまでは踏み込み過ぎず、放置しすぎずを徹底しましょう。
方法⑤ 早期離職率を下げて採用コストを回収する
5つ目のコスト削減方法は、「早期離職率を下げる」にフォーカスする方法です。
早期離職率を下げるためには、社員の要望をできるだけ汲み取り、協力関係を築いていくのが重要ですよね。
したがって、内容が被るとこもありますが、以下のような方法が有効と言えます。
【早期離職率を下げるための施策】
- 面接時点でネガティブな情報も伝えておく
- 入社前に業務理解を深めてもらう
- キャリアアップイメージをすり合わせる
- 入社後も定期的なヒアリングを実施する
- 会社の成長ビジョンを共有する など
限度はあれど、社員がより満足した状態で働けるように全力を尽くす必要がある。
採用コストの節約では、使うお金の削減も大切ですが、出ていく人間の抑制もポイントになるわけです。
引き留める姿勢が強すぎても引かれてしまうので、なかなか難しいところではありますが、できるだけ社員の本音を引き出せる仕組みや体制を整えておくのがおすすめですね。
方法⑥ 助成金を活用してみる
6つ目は「助成金の活用」です。
助成金とは、国や地方公共団体から事業者に支給される資金のことですが、こちら原則として返済義務はありません。
一定の条件を満たしていれば、申請・審査を通して資金を受給できます。
新卒採用で利用できそうな助成金は以下の通りですね。
助成金 | 概要 | 参考URL | |
---|---|---|---|
若者の採用 | トライアル雇用助成金 | 就労経験のない若者を一定期間試行雇用したときに申請できる。 | トライアル雇用助成金ページ |
特定求職者雇用開発助成金 | 第2新卒を対象とした助成金。学校卒業から3年以内という条件アリ。 | 特定求職者雇用開発助成金ページ | |
地方企業の採用 | 地域雇用開発助成金 | 求人の少ない地域での雇用を行う際に受給できる助成金。 | 地域雇用開発助成金ページ |
人材育成にかかわる採用 | 人材確保等支援助成金 | 労働環境の改善などで申請できる助成金。テレワーク導入の促進などが対象となる。 | 人材確保等支援助成金ページ |
両立支援等助成金 | 勤労と育児の両立を支援するための助成金。その他、介護・出生時にも申請できる。 | 両立支援等助成金ページ | |
キャリアアップ助成金 | 非正規雇用者のキャリアアップを促進するための助成金。非正規が正社員化する際などに申請できる。 | キャリアアップ助成金ページ | |
人材開発支援助成金 | 企業の人材育成を目的とした助成金。職務に関した専門知識や技能を習得させる際に申請できる。 | 人材開発支援助成金ページ |
条件や費用はバラバラですが、申請さえすれば補助があるのですから、採用コストの削減にはピッタリでしょう。
それぞれの詳細な情報を知りたい方は、URL欄に示した厚生労働省のホームページを確認してみてくださいね。
方法⑦ 内部コストに着目する
コスト削減方法7つ目は「内部コストに着目して削減する」です。
具体的には、採用活動にかかる時間を短縮する、ということですね。
オンライン面接を活用したり、実務の生産性を高めることで、採用活動のスケジュールを短くできる。
スケジュールが短くなれば、必然的に採用にかかる人件費が削られていくため、採用コストの削減につながります。
ただし、単にイベントを減らしたり、インターンの期間を縮めるだけだと、採用の成功確率を下げるだけ。
活動の濃さは維持しつつ、業務にかかる時間を削減する方向性が最適でしょう。
例えば、「一度採用の業務フローを見直し、採用活動補助のシステムを導入してコスト削減を達成する」などは有効な策と言えますね。
こんな風に、内部コストというくくりに着目した削減方法を模索するのもおすすめです。
方法⑧ 外部コストに着目する
最後の方法は、「外部コストへの着目」です。
基本的には広告費が主になるので、いかに自社の採用に最適なサービスを選定できるか、が大切になってきますね。
求人広告を掲載するサイトは、大きく分けて「掲載課金型」と「成果報酬型」の2つがあります。
「掲載課金型」は、その名の通り、広告を掲載すること自体にお金がかかる媒体のこと。
1回の掲載で複数人採用できれば、ひとりあたりの採用コストはどんどん下がっていく仕組みです。
逆に、採用者がいなくてもコストがかかり続けるので、採用が長期化するときには向きませんね。
一方「成果報酬型」は、広告掲載後、採用が確定したときのみ料金が発生するタイプの媒体です。
採用した分だけコストがかかる仕組みなので、効率的に予算を使うことができます。
ただ、ひとりあたりに割く工数が膨大なので、大人数の採用には向いていません。
採用活動を上手く行っている企業は、この2つのサイトを用途によって使い分けていたりします。
掲載課金型でボリューム層を確保し、優秀な人材は天塩をかけて成果報酬型で採用する、といった感じです。
自社の状況やコストに合わせて、最適に使い分けていくのがカギになりますね。
コスト削減は、いろいろな方向からアプローチできるんですね!
そう、規模だったりコストだったり、企業によって変数が多いわけだから、自社の状況に応じて柔軟な採用活動をしていくのが大切だよ!
就活生の「入社の決め手」を理解して採用活動を行う
ここまで、採用コストの削減方法を網羅的に紹介してきましたが、根本的に大切なのは「就活生の気持ちを考える事」だと思います。
内定辞退者を減らすためにも、入社後の早期退職を防ぐためにも、就活生側が自分自身の決断に納得がいった状態で入社してもらうことがベストですよね。
したがって、「就活生が何を決め手に入社を決めているのか」をしっかりと理解しておく必要がある。
リクルートキャリアが20卒を対象に発表した「2020年3月度(卒業時点)内定状況」によると、就職先を確定する決め手になった項目は以下のようになりました。
これによれば、就活生の半数以上が「自分の成長」を入社のキーワードにしているようです。
能動なのか受け身なのかでも変わりますが、どちらにしろ福利厚生よりも「成長できる環境か否か」を判断基準にしている。
これは、近年「AIが人間の仕事を奪う」「日本は後れを取っている」と言われる中で、就活生もしっかりと危機感をもってキャリアを歩もうとしている表れだと思います。
漠然と不安を感じながらも、どこの会社でも生きていける力を身に付けようとしているわけです。
したがって、就活生には「この会社に入ったらどんな人間になれるのか」という将来像を見せてあげることが、採用コストの削減につながると考えられます。
例えば、現場社員が面接・面談を担当したり、イベントですさまじい成果を出した社員を登壇させるなどが有効策になるはず。
「この人みたいになりたい」と強い志を抱かせることで、新入社員の成長、採用コストの削減、ひいては会社の利益につながっていきます。
基本的なことですが、“就活生を見る”だけでなく“就活生に見られている”という意識を常に持ち、「成長したければ来い」とドンと構えていることで、より良い結果を呼び込めることでしょう。
確かに就活生側の気持ちも汲んでくれると安心しますし、何よりうれしいですよね!
そうだね!思い描くキャリアに寄り添ってくれる、その姿勢だけでも嬉しいからね!
本記事の要点まとめ
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました!
採用活動は年中ずっと忙しいですし、変数が多すぎるので毎年頭を悩ませていますよね。
規模は違えど、僕も採用活動を行う身として、「人材の確保って本当に難しいな」とつくづく実感します。
本記事で紹介した通り、現在の国内は完全な売り手市場なので、採用にかかるコストはこれからも増えていくと考えられる。
その中で、いかに自社に合った削減方法を見つけられるかが重要ですよね。
あらゆる方向からのアプローチを共有したつもりなので、ぜひ今回の内容を汲み取って、優秀な人材と出会えることを願っています。
それでは最後に本記事の要点をまとめて終わりましょう。
【本記事の要点】
- 新卒の採用コストは内部コストと外部コストに分類でき、ひとりあたり93.6万円かかる。
- 採用コストの削減方法には、あらゆる方向からのアプローチがあるので、自社に状況に合わせてマッチする方法を策定するのが重要である。
- 就活生側の気持ちを汲み取ることで、内定辞退・早期退職を防ぎ、かかった採用コストを回収できる。