この記事では、採用担当者様向けに新卒採用のメリットについてご紹介します。
(合わせて、新卒採用のデメリットや新卒採用をすべき企業の特徴も共有します。)
こんにちは!
これまで1000記事以上の就活記事を執筆し、日本最大の就活ブログを運営している就活マンこと、藤井智也と申します。
採用担当者様の中には、今後新卒採用を実施すべきか悩まれている方もいますよね。
また、すでに新卒採用をしているものの、これからも継続していくべきか検討されている企業様もいらっしゃるかと思います。
今後の新卒採用の有無を判断する上で、理解しておくべきは新卒採用がもたらすメリットとデメリットです。
それらを理解した上で、自社が得られるメリットが大きい場合は新卒採用をすべきかと思います。
よって本記事では、新卒採用がもたらす10のメリットと5つのデメリットをご紹介します。
また、新卒採用のメリットを得やすい企業の特徴についてもご共有いたします。
私はこれまで新卒就活に特化して、5年以上メディアを運営し、今では新卒採用支援事業を行う企業の代表を務めています。
その経験によって把握した新卒採用のメリットとデメリットを、この記事では余すことなくお伝えさせていただきます。
- 新卒採用のメリット10選
- 新卒採用のデメリット
- 新卒採用を成功させるには求人票と求人広告の質が重要
- 新卒採用は大手と中小企業のどちらの方がメリットを得られる?
- 新卒採用で通年採用を実施するメリットとデメリット
- 本記事の要点まとめ
新卒採用のメリット10選
それでは早速ですが、本記事の本題である新卒採用のメリットについてご紹介します。
ここでご紹介する内容が全てではありませんが、新卒採用を実施する上で特に大きなメリットを優先的に解説させていただきます。
この中で自社にとって影響が大きい項目が多ければ、新卒採用の実施すべきなので、そういった指標としてもご参考にされてください。
【新卒採用のメリット】
- 一度に多くの人材を採用できる
- 採用活動の計画が立てやすい
- 入社後の教育がしやすい
- 企業内の年齢構成に偏りが出にくくなる
- 将来的な企業の幹部候補を採用できる
- 採用コストを抑制できる
- 社内の雰囲気を活性化できる
- 企業知名度の向上に繋がる
- 企業文化を継承しやすい
- 中小企業は中途採用よりも優秀な人材を採用しやすい
メリット① 一度に多くの人材を採用できる
1つ目のメリットは”一度に多くの人材を採用できる点”です。
新卒採用の場合、原則3月卒業からの4月入社という一括採用スケジュールのため、一度に多くの人材を採用できます。
特に大企業など採用予定人数が多い企業の場合は、このメリットの影響は大きいかと。
より多くの人材を採用することで、企業自体の規模拡大にも繋がりますし、人員配置などにおいても選択肢を増やすことが可能となります。
逆に中途採用では、求職者側の入社希望時期が異なるため、一度の多くの人材を採用することは難しいという事情があります。
人数を重視したい企業にとっては、新卒採用の方が最適かと思います。
メリット② 採用活動の計画が立てやすい
次に”採用活動の計画が立てやすい”のも新卒採用のメリットです。
新卒採用では、2020年卒からは経団連の採用活動への指針が廃止され、政府主導で採用スケジュールが策定されるようになりました。
▼新卒採用のスケジュールイメージ
引用:ネオキャリア「新卒採用のスケジュール策定のポイント」
現在は大学3年生の3月1日から広報活動、大学4年生の6月1日から採用活動を政府主導の新卒採用ルールとして設定されています。
また、2023年卒までは、現在の日程を維持することが決まっています。
このように、スケジュールがルール化されているため、ナビ会社が開催するイベントなどもこのスケジュールに沿っており、採用計画が立てやすいのが新卒採用の特徴です。
ただ、1点注意しておきたいのは全ての企業がこのルールを守っているわけではないということ。
外資系企業など、採用時期をずらした選考を行っている場合もあります。
とはいえ、大半のイベントや就職支援サービスはこのスケジュールに則っています。
よって、基本的なスケジュールとしてベースがあるのは間違いないかと思います。
メリット③ 入社後の教育がしやすい
新卒採用は4月に一斉に新入社員が入社するため、入社後の研修といった社員教育がまとめてしやすいというメリットがあります。
中途採用で教育をする場合は、入社時期が異なることから個別に対応する必要がありますが、新卒採用はまとめて行えるため効率的ですよね。
新卒社員は中途採用に比べて、社会人経験もなく、スキルも足りない状況のため、入社後の教育が必須です。
できるだけ早い時期に戦力となってもらうためにも、こうした教育がしやすい点というのは大きなメリットかと思います。
メリット④ 企業内の年齢構成に偏りが出にくくなる
新卒採用をすることで、毎年大卒の若い世代が入社することになります。
そのため、社内の年齢差が生まれにくく、企業全体として年齢構成に偏りが出にくくなります。
年齢構成に偏りが出ると、安定した経営を継続するのが困難になります。
また、急に採用人数を増加させなければならない年もあれば、逆に採用数を減らさないといけない年もできるなど、採用担当者としても莫大な労力が必要になってしまいます。
このような状況を未然に防止する上で、新卒採用は効果的な手法です。
特に現状で社員の平均年齢が高い場合は、すぐにでも新卒採用を実施して、年齢構成バランスを整えるのがおすすめです。
メリット⑤ 将来的な企業の幹部候補を採用できる
新卒採用は若い世代を雇用するため、長期的に自社で活躍してもらえる前提での採用となります。
長期的に活躍できれば、いずれは自社の幹部となる人材も生まれます。
中途採用の場合、他社での経験があるため、前職の慣習や風土が染み付いて馴染めないケースもあるかと思います。
一方、新卒採用で入社した社員は企業理念に共感した上で入社しています。
また、他社での勤務経験もないため、自社の価値観やビジョンに共感しやすく、将来を担う人材に育成しやすいといったメリットがあります。
メリット⑥ 採用コストを抑制できる
新卒採用は中途採用に比べて採用コストを抑制できるというメリットもあります。
そもそもコストには内部コスト(人事にかかる人件費など)と外部コスト(ナビサイトへの掲載料、合同説明会への出展料など)の2種類が存在します。
これらを総合した採用コストについて、就職みらい研究所の調査によると、新卒採用と中途採用では以下のような差があるという結果が出ています。
【1人あたりの平均採用コスト】
- 新卒採用コスト:93.6万円(2019年度)
- 中途採用コスト:103.3万円(2019年度)
参考:リクルートエージェント「採用コストの平均は?新卒・中途の一人当たりの金額と削減方法を紹介」
中途採用は新卒採用に比べて、求職者に求めるスキルも個々に分かれるため、マッチする人材を見つけるのが難しく、採用難易度が高いことが理由の1つです。
このように新卒採用の方が採用コストを抑制できるため、低コストで採用を実現したい場合は新卒採用がおすすめです。
メリット⑦ 社内の雰囲気を活性化できる
次のメリットは”社内の雰囲気を活性化できる点”です。
一概には言えませんが、やはり勤続年数が長い社員が増えると、社内の雰囲気なども落ち着いたものになる傾向があるかと思います。
そこに新卒のフレッシュな人材が加わることで、雰囲気を一新することができますし、後輩や教える相手ができることで、既存社員のモチベーションも向上しやすい環境ができます。
また、最近ではSNSなどを活用する企業も増えています。
SNSなどの取り扱いはZ世代と呼ばれる今の新卒世代の方が長けているため、そういったポイントでも雰囲気を変える存在になりますね。
メリット⑧ 企業知名度の向上に繋がる
新卒採用を実施することで、企業の知名度向上にも繋げることができます。
普段からPR活動や広報、サービス販売などを通じて企業の認知度拡大を図っているとかと思います。
新卒採用では、主目的が採用であるものの、合同説明会への出展や大学への訪問、ナビサイトへの掲載などさまざまな媒体や機会を通じて、企業認知度の向上という副産物も生まれます。
これまで社会人経験のない就活生が企業選びをする上で、その企業の名前を知っているかどうかは大きな判断基準になっています。
事実、BtoBよりもBtoCで普段の生活に馴染みのある企業の方が就活生人気が高いのも、この影響が大きいんですよね。
就活生世代に対する知名度向上は、そのまま採用実績にも直結する部分であるため、両方を並行して進めるという意味で、新卒採用はメリットの大きな手法です。
メリット⑨ 企業文化を継承しやすい
新卒採用で入社した社員は、その企業がファーストキャリアとなるため、その企業以外の文化や風土、働き方を知りません。
比較基準がないため、入社した企業の文化を継承しやすいという特徴があります。
経営理念といった企業文化は、企業の根幹を成すものです。
そのような基盤を理解している社員がいなければ、経営の一貫性などを実現することが難しくなるため、企業文化を継承しやすいというのは、長期的な目線で非常に重要なポイントとなります。
メリット⑩ 中小企業は中途採用よりも優秀な人材を採用しやすい
中小企業の場合、中途採用よりも新卒採用の方が優秀な人材を採用しやすいというメリットがあります。
転職組の場合、多くの方がキャリアアップを目指すため、好条件の大企業などを希望する割合が多くなります。
一方、新卒採用はボテンシャル採用となるため、入社前のスキルではなく、入社後の成長が重要になってきます。
つまり、今後伸びそうな人材を採用することがポイントです。
具体的なスキルに比べて漠然としているため、見極めが難しいのも事実ですが、それは大企業も同様のため、優秀な人材を採用するチャンスも大いにあるわけです。
速効性のある手法ではないですが、長期的なメリットが大きいのが新卒採用の大きな特徴になりますね。
新卒採用のデメリット
ここまで新卒採用のメリットをご紹介してきました。
ただ、当然ですが、メリットもあればデメリットも存在します。
新卒採用を実施するか判断する上で、やはりデメリットも理解した上で最終的な決断をするべきかと思います。
そのため、以下のデメリットもぜひご確認ください。
【新卒採用のデメリット】
- 選考プロセスが長期化しやすい
- 優秀な人材に内定辞退されることもある
- 景気に採用実績が左右される
- 教育するのにコストと時間がかかる
- 早期離職に繋がりやすい
デメリット① 選考プロセスが長期化しやすい
新卒採用では、選考プロセスが長期化しやすいことがデメリットとして挙げられます。
中途採用とは違い、一度に多くの就活生が選考に集まるため、エントリーシートの確認や面接などにも結構な労力がかかります。
一般的には、3月からエントリーの受付を開始し、その後書類選考や筆記試験、面接などを経て内定を出すまでに2〜3ヶ月程度かかることが多くなっています。
また、エントリー開始前のインターンシップなども含めると、1年を通じて採用活動を継続的に行うイメージになります。
デメリット② 優秀な人材に内定辞退されることもある
新卒採用では、選考を通過し内定を出した人材から、内定を辞退されることも想定しておかなければなりません。
中途採用であれば、ピンポイントに採用するため、辞退はほとんどありません。
一方、新卒採用は他社も含め同じスケジュールで一斉に採用活動が進むため、内定を出したとしても、他社に入社してしまうことも考えられます。
絶対に欲しいと思った人材でも、入社が確約されないのは大きなデメリットですね。
そのため、新卒採用では採用予定枠よりも少し多い人数に内定を出し、辞退に備える企業も多くなっています。
また、辞退を防止するには内定を出した後の内定者フォローが非常に重要です。
内定者による懇親会など、入社までの不安を軽減することで内定辞退を減らすこともできるため、以下の記事を参考に、ぜひ実践してみてください。
デメリット③ 景気に採用実績が左右される
景気に採用実績が左右されるのも新卒採用のデメリットです。
例えば最近では、新型コロナウイルスの影響による不景気で、観光業界や航空業界、旅行業界などは大きなダメージを受けました。
こうした報道を見て、就活生も「もしかしたら倒産リスクがあるかも」と考えます。
そして、そういった不景気の業界を避ける傾向にあるため、不景気の後ほど公務員や大企業の人気も高まります。
業界全体として不景気でも、自社は影響を受けていない場合、採用したいのに、イメージが邪魔して採用が困難になることも想定されます。
このように、景気が採用に大きく影響するのは新卒採用ならではかと思います。
デメリット④ 教育するのにコストと時間がかかる
当然ですが、中途採用とは違い、新卒人材はスキルや経験が足りません。
よって、企業の中で戦力として一員になるためには、それなりの教育コストがかかります。
ただ、ゼロから自社で教育できるため、自社が必要とするスキルを優先的に教育できるのはメリットになります。
中途採用だと、どうしても前職の慣習などが邪魔をするケースがありますからね。
デメリット⑤ 早期離職に繋がりやすい
新卒社員はこれまで社会人の経験がありません。
よって、多かれ少なかれ入社後にカルチャーショックを受けることになります。
このギャップが大きい場合、早期離職に直結してしまいます。
事実、30年以上に渡って大卒新卒者は「3年以内に3割が離職」している状況です。
引用:厚生労働省「新規学卒者就職率と就職後3年以内離職率」
コストをかけて採用し、教育まで行った結果、早期離職されてしまえば、企業としても大きな損失です。
よって、早期離職対策は必須事項になります。
なぜ新卒が定着しないのか、その理由や対策については「新卒が定着しない企業の特徴とは?|理由を知って対策すべき!」にて詳しく解説しています。
こちらも合わせてぜひ参考にされてください。
たしかなデメリットもありますね。自社の状況やフェーズなどを総合的に考えた上で、新卒採用すべきかを判断するのが良いかと思います!
新卒採用を成功させるには求人票と求人広告の質が重要
ここまで新卒採用のメリットとデメリットをご紹介してきました。
では実際に新卒採用を実施する場合、どうすれば採用枠を埋めたり、優秀な人材を確保するなど、新卒採用を成功に導けるのか。
新卒採用支援事業会社の代表である私の意見としては、ズバリ「求人票と求人広告の質を最大限高めること」が最重要だと考えています。
まずは以下のグラフを見てください。
▼就活生が新たな企業を探す手段
引用:株式会社ディスコ「2022年卒7月1日時点の就職活動調査」
22卒に対する調査によると、全体の85.4%の就活生が新しい企業を探す手段として就職情報サイトを活用していることがわかります。
就職情報サイトとは、マイナビやリクナビなどのナビサイトのことです。
そしてそれら就職情報サイトに掲載するのが求人票や求人広告です。
つまり、魅力的な求人票や求人広告を作ることができれば、かなり高い確率で就活生の目にとまり、採用に繋げることができるんです!
逆に質が低ければ、就活生の目につく確率は非常に低くなります。
大規模な就活サイトであれば数万社が掲載されているため、差別化しないと埋もれてしまうのは間違いないかと。
具体的な求人票と求人広告の書き方については以下の記事にそれぞれまとめました。
私はこれまで5年に渡って就活生向けにメディア運営を行い、日本最大級の就活メディアを作り上げたことから、どんな言葉や表現が就活生を惹きつけるのか、他よりも知見があります。
そのノウハウを全てまとめた記事なので、ぜひご一読いただけると幸いです。
求人票や求人広告の作成をプロのライターに依頼したい場合は?
上記の記事を参考にしてもらえれば、一定の質を保てるかと思います。
ただ、求人票の作成を自社で行わずプロのライターに依頼する方法も一つです。
僕が代表を務める株式会社L100では、「ホワイト企業ナビ」という新卒採用に特化した求人サイトを運営しています。
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新卒採用は大手と中小企業のどちらの方がメリットを得られる?
新卒採用を検討している、もしくはすでに実施している企業にもさまざまなフェーズや規模がありますよね。
では、どのフェーズの企業が最も新卒採用のメリットを得やすいのか。
私は、中小企業よりも大手企業の方が新卒採用のメリットを得やすいと考えています。
こう言える理由は、”新卒採用のメリットを得やすい企業の特徴”について、大企業の方が当てはまりやすいことが挙げられます。
新卒採用のメリットを得やすい企業の特徴は以下のとおりです。
こうして見ると、大企業のほうが合致することがわかります。
【新卒採用のメリットを得やすい企業の特徴】
- 教育体制が整っている企業
- 組織の活性化を狙っている企業
- 一度に大量の人材を採用したい企業
- 長期的に人材を育成していきたい企業
特徴① 教育体制が整っている企業
新卒採用をする場合、これまで社会人経験のない人材を雇うわけですから、教育体制の整備は必ず必要になってきます。
しかし、人材教育には人的コストも経済的コストもかなりかかります。
よって、社員数や育成コストに余裕のある大企業の方が、教育体制を整えやすく、新卒採用人材を受け入れる環境ができていると言えます。
もちろん、中小企業でも教育体制を整えている企業もあるため、一概には言えませんが、全体としては大企業の方が向いています。
特徴② 組織の活性化を狙っている企業
メリットの章でもお伝えしましたが、新卒人材が入社することで、既存社員も含めた社内全体の雰囲気を変えることができます。
よって、現状より組織を活性化させたい企業は新卒採用をすべきです。
組織全体が活性化すれば、企業としての成長も見込めますし、事業拡大や利益向上にも直結していきます。
特にマンネリ化を感じている企業にとって、新卒採用は良いカンフル剤になるかと!
特徴③ 一度に大量の人材を採用したい企業
新卒採用は中途採用に比べ、一括採用なので大量の人材を採用することに向いてます。
よって、次年度までに数十人〜数百人規模の人材を採用したい場合には、中途採用ではなく新卒採用をすべきです。
そもそも中途採用では、この人数を集めるのはかなり難しいかと思います。
採用人数の多さについては、企業規模や利益面が大きく影響することから、大企業の方が採用人数も多い傾向にあるため、新卒採用が向いているのは大企業となります。
特徴④ 長期的に人材を育成していきたい企業
長期的に人材を育成し、長く自社で活躍する人材を求めている場合も、新卒採用の方が適した手法になります。
中途採用の場合、すでにその人材は転職を経験することになるため、さらなるキャリアアップなどを求めて、再転職することも予想されます。
よって、新卒採用で入社してもらう方が長期的な活躍が見込めるかと思います。
なお、この特徴については中小企業、大企業の規模は問わないですね。
どの企業も長期的な人材育成・活躍は求めているでしょうから、その面に関しては共通して新卒採用の方がメリットを得られます。
このように特徴を並べると大企業の方が新卒採用向けであることがわかります。ただ、一括にまとめられるものでもないので、自社のフェーズやニーズに合った採用手法を導入するのが重要です。
新卒採用で通年採用を実施するメリットとデメリット
新卒採用を実施もしくは検討している企業様の中には、通年採用の導入を考えている企業様もいるかと思います。
通年採用とは以下のとおりです。
【通年採用とは】
通年採用とは、採用が必要なタイミングでスケジュールを問わず、一年を通して採用活動を行うこと。
最近よく耳にするキーワードですよね。
欧米や外資系企業ではすでに当たり前の採用手法となっていますが、日本では新卒一括採用が一般的なので、まだ馴染みのない採用手法かと思います。
そもそも日本が新卒一括採用をしているのは、採用活動が学業の妨げとならないように、経団連(日本経済団体連合)が就職協定によって採用活動解禁時期や手法などに制限を設けてきたためです。
ただ、近年は売り手市場の加速や第二新卒・中途採用市場の活性化により、一括採用スケジュールとは違った採用スケジュールを実施する企業も増えています。
特に知名度のない中小企業やベンチャー企業は、大企業と同じスケジュールで採用を行ってもなかなか就活生が集まらないため、あえて採用時期をずらすことも多いです。
すでにユニクロやソフトバンク、楽天などのメガベンチャー企業なども通年採用を導入しています。
では、新卒採用において通年採用は導入すべきなのか。
この判断をするには、新卒採用で通年採用を実施するメリットとデメリットを理解しておくべきです。
通年採用のメリットとデメリットは以下のとおり。
【新卒採用で通年採用を実施するメリット】
- 接触できる学生の数が増える
- 留学生や既卒の採用もしやすくなる
- 長期的な選考によってミスマッチを防止できる
- 内定辞退にも対応しやすくなる
【新卒採用で通年採用を実施するデメリット】
- 採用の長期化により担当者の負担が増える
- 採用コストが高まるリスクがある
- 知名度の低い企業は就活生を集めにくい
メリット① 接触できる学生の数が増える
通年採用を導入することで、決まったスケジュールでイベントなどを行うことがなくなるため、より多くの学生と接触することができます。
また、学年も問わない採用となるので、1、2年生と会う機会も増えるかと。
より多くの候補者の中から、より自社に合う人材を見定めてたい場合は、通年採用のメリットが大きいかと思います。
メリット② 留学生や既卒の採用もしやすくなる
少子化が進む一方で、大学全入時代となり、大卒者の数は増えています。
その影響から、既卒や第二新卒で就職活動を行う人も増えているわけですが、通年採用を実施することで、そういった人材とも接触しやすくなります。
また、留学生や帰国子女といった人材は4年生の秋など、就活後半期に活動を活性化する傾向にあります。
こういった人材も柔軟に採用できるのは、通年採用のメリットですね。
メリット③ 長期的な選考によってミスマッチを防止できる
通年採用を実施している企業の場合、最初に長期インターンという形で接触した上で、選考に移行しているケースもあります。
長期インターンとして、実際に業務を行う姿を数ヶ月見れるわけですから、より自社とのマッチング度合いの見極めがしやすくなります。
つまり、ミスマッチの確率を下げられるということ。
やはり全ての企業様がミスマッチによる早期離職を避けたいでしょうから、長期インターンを含めた通年採用はメリットが大きいかと思います。
メリット④ 内定辞退にも対応しやすくなる
新卒採用では多かれ少なかれ、どの企業も内定辞退を受けることがあるかと思います。
一括採用スケジュールで、すでに採用活動を終えていた場合、採用枠を埋めるには、ゼロから候補者探しをしなければなりません。
一方、通年採用を実施していれば、常に採用候補者を抱えておくことができます。
よって、突発的な内定辞退などに対しても柔軟に対応しやすいのが特徴です。
デメリット① 採用の長期化により担当者の負担が増える
ここからはデメリットをご紹介します。
まず、通年採用を実施することで、決まったスケジューリングをすることが難しくなり、採用活動も長期に渡るため、担当者の負担は増えてしまいます。
採用専門部署を配置できる企業であれば、こうした状況にも対応できるかと思いますが、人事部署が労務などと並行して採用を行う場合は、このデメリットが与える影響も大きくなります。
自社の現在の状況において、通年採用に耐えうる体制があるのか。
この点は、導入前に必ず確認しておきたい部分ですね。
デメリット② 採用コストが高まるリスクがある
通年採用では年間を通じて採用活動を継続するため、場合によっては一括採用よりもコストがかかるリスクがあります。
(特に人的コストは間違いなく大きいかと。)
コストを抑制するには、ポイントを押さえた採用活動が重要です。
自社の採用ターゲットはどの層か、どの媒体やサービスを使えばターゲット学生と接触できるか、年間を通じて採用活動をするからこそ、メリハリのある活動が必要になりますね。
デメリット③ 知名度の低い企業は就活生を集めにくい
通年採用をする場合、知名度の低い企業は就活生を集めにくいかと思います。
なぜなら、一括採用向けの就活イベントなどに参加しにくいから。
今リリースされている就活サービスのほとんどが一括採用向けのスケジュールに沿った内容です。
例えば、ナビサイトの解禁は3月1日からといったのが代表例ですね。
こうしたサービスにスケジュールを合わせてしまったら、通年採用を実施する意味がありません。
しかし、大半の就活生はナビサイトなどの就活サイトを利用しています。
よって、自社で広報活動を行い、通年採用をしていることを認知してもらわなければなりません。
そもそもの知名度がない場合、この点を考慮する必要があります。
新卒採用における通年採用は、企業ごとに向き不向きがハッキリするかと思います。今後、さらに通年採用は拡大することが予想されますが、自社の現状に沿った採用手法を実施すべきですね。
本記事の要点まとめ
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!
私はこれまで5年間に渡って、新卒人材領域に特化した情報発信を続けてきたので、採用や就活生のニーズに関する知見があると自負しています。
そんな私が知る”新卒採用のメリット”について、全てこの記事にまとめました。
この記事でご紹介したとおり、新卒採用にはメリットもデメリットも存在します。
企業によっては新卒採用よりも中途採用の方が適している企業様もあるかと思います。
この記事が、皆様の採用手法を判断するのに少しでもお役に立てれば嬉しい限りです。
私が経営する株式会社L100では、特に新卒採用に特化して採用支援をおこなっているので、何でもご相談ください。(相談はこちらから)
【本記事の要点】
- 新卒採用のメリットは「①一度に多くの人材を採用できる」「②採用活動の計画が立てやすい」「③入社後の教育がしやすい」「④企業内の年齢構成に偏りが出にくくなる」「⑤将来的な企業の幹部候補を採用できる」「⑥採用コストを抑制できる」「⑦社内の雰囲気を活性化できる」「⑧企業知名度の向上に繋がる」「⑨企業文化を継承しやすい」「⑩中小企業は中途採用よりも優秀な人材を採用しやすい」などである。
- 新卒採用のデメリットは「選考プロセスが長期化しやすい」「優秀な人材に内定辞退されることもある」「景気に採用実績が左右される」「教育するのにコストと時間がかかる」「早期離職に繋がりやすい」などである。
- 新卒採用を成功させるには、求人票や求人広告の質を最大限高めることが重要である。
- 新卒採用は中小企業より大企業の方がメリットが得やすい。
- 新卒採用における通年採用の実施は、企業ごとに向き不向きがハッキリしている。
▼その他新卒採用に役立つ記事はこちら
» 【求人が集まる方法11選】新卒採用担当が知るべき求人を多く集める方法まとめ!