エントリーシートを書いているのですが、どうしても評価されるような文章が書けません。何かコツはありませんか?
なるほど。評価されるエントリーシートを書くためのコツは3つある!今回はその3つのコツを紹介するよ!
エントリーシートを書く際に、何も意識せずに書くと、ただただ事実を説明するだけのつまらない文章になってしまいます。
そんな文章では何百倍の倍率ともなる大手企業の選考では通過することができません。
そこで本記事では、評価されるエントリーシートを書くための3つのコツを解説します。「エントリーシートがうまく書けないな」と悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
評価されるエントリーシートを書くための3つのコツ
では早速ですが、僕が就活生の時に意識していたエントリーシート作成のコツを紹介します。コツは以下の3つです。
【評価されるエントリーシート作成のコツ】
・論理的であり1読で内容を把握できるようにすること
・自分の考えや価値観を中心に書くこと(事実の列挙にしないこと)
・他の就活生にはない面白い考えを書くこと
文章は書き始める前にこれらのコツを意識しないと、ただ思いついたことを列挙するだけになりがちです。
実際、これまで数百のエントリーシートを添削しましたが、9割がただの説明を並べているだけの文章でした。それではエントリーシートを読んだところで「この子は面白い!会って話してみたいな!」とは思いませんからね。
そうならないためにも、これら3つのコツを1つずく詳しく見ていきましょう。
コツ① 論理的であり1読で内容を把握できるようにすること
まず重要なことは「文章全体が論理的であること」です。
論理的な文章とは何かというと、自分の考えに対する理由が明確である文章のことを指します。
【論理的でない文章例文】
「私は大学では化学を学びました。化学を学ぶことで、物事をミクロの視点で見ることの重要性を学びました。よって化学を学んだことは有意義でした。」
【論理的な文章例文】
「私は大学では化学を学びました。化学は物質を顕微鏡でも見えないようなサイズの世界で見ること、そして考えることが重要な学問です。よって化学を学ぶことで、化学だけでなく生活の中の様々な物事をミクロの視点で見ることの重要性を学びました。」
論理的でない文章は、「化学を学ぶことで、物事をミクロの視点で見ることの重要性を学びました」の理由が不明確です。
なぜなら化学を学ぶことが物事をミクロの視点で見ることに直結しないからですね。
よってこの文章を面接官が読んでも「んー、なぜ?」と悩んでしまいます。
一方で論理的な文章は、
「化学は物質を顕微鏡でも見えないようなサイズの世界で見ること、そして考えることが重要な学問」
↓ だから
「化学を学ぶことで、化学だけでなく生活の中の様々な物事をミクロの視点で見ることの重要性を学びました。」
と理由が明確なので、一読して理解することができます。
面接官もこれを読んだら、「ああ、化学はそういう学問なんだ。だからこそ化学を学んだことで物事を細かく見ることの重要性を学んだんだな」と納得しますよね。
このように必ず一読して納得できるような理由を明確化しましょう。自分の頭の中では当たり前に思っていることでも、他人が読んだらそれは「なぜ?」と思うことかもしれません。
なるほど!論理的な文章は、発言に対する理由が明確な文章のことを指すのですね!
その通り!更に言うと、その「理由」の納得性が高い文章は論理的な文章と言えるよ。
コツ② 自分の考えや価値観を中心に書くこと(事実の列挙にしないこと)
次に重要なのが「自分の考えや価値観が中心に書かれていること」です。
そもそも人事がエントリーシートを書かせる理由は何でしょうか?それはエントリーシートを通して、自社との適性を測ること、そして志望度の高さを測ることです。
その中でも「志望度の高さ」は志望動機を見て判断するので、その他の質問をする理由はほぼすべて「自社との適性を測るため」と言うことができます。
これは「婚活サイト」などで例えるとわかりやすいですね。
婚活サイトでは、年収や趣味、休日の過ごし方などの質問を通して、「自分に合った人はどの人だろう?」と自分との適性を測ります。
就活はこれと全く同じで、エントリーシートはあなたとの適性を測るためのプロフィール表なのです。
ここでもしプロフィール表に「趣味は野球です」と書かれており、それに続いて「小学生の頃からやっていました。ポジションはセンターです。地区大会での優勝歴は3回です。・・・」と説明が列挙されていたら、あなたはどう思いますか?
そうですね。「ふーん」ですよねw
つまり自分との適性を測る際に重要なことは、「その人の考えや価値観」であり、説明なんてのはどうでも良いんですよ。
特にエントリーシートは限られた文字数の中で、自分について人事に理解してもらい「会ってみたい」と思ってもらう必要があります。
よって無駄な説明は、“面接で聞かれた時にだけ答えれば良い”と割り切って省くようにしてください。
【説明ばかり書かれたプロフィール(魅力を感じない)例文】
「私の趣味は野球です。野球は小学生の頃からやっていました。ポジションはセンターを守っており、守りの要とも言われています。成績ですが、地区大会での優勝歴は3回でして、なかなかの競合だったように思います。」
【考えや価値観を中心に書かれたプロフィール(魅力的)例文】
「私の趣味は野球です。私は野球を究極のチームスポーツと考えており、例えば守りの1箇所が欠けていては試合に勝つことはできません。だからこそ、1人1人のメンバーを大事にすることの重要性を学びました。私が意識していることは、とにかく「最近調子はどう?」と声を掛けて、常に気にかけていることを伝えることです。」
説明ばかり書かれたプロフィールは読んでも、本当に「ふーん」としか思いませんね。
そうなんだ。ましてや、まだ会ったことのない人のつまらない説明なんか聞きたくないからね。
コツ③ 他の就活生にはない面白い考えを書くこと
最後3つ目のコツは「他の就活生にはない面白い考えが書かれていること」です。
2つ目のコツでお話したように、エントリーシートはとにかく自分の考えや価値観を中心に書くことが重要です。考えや価値観を知ることで「この人はこんな人なんだ!」と理解できるからですね。
しかし自分の考えや価値観が中心に書かれているだけでは、他の就活生と差別化することはできません。
なぜなら平凡でありきたりな考えや価値観なら、他にもそう書いている就活生が大量に存在するからです。
よって考えや価値観を中心に書きつつ、それらの考えや価値観が“他の就活生が書かない”ような、そして読んだ時に「面白い考えだな!」「なるほど!」と人事が思うようなことを書くことが本当に重要です!
(正直、僕が22社の内定を獲得できた要因はここにあります。)
【考えや価値観が平凡でありきたりな文章例文】
「私の趣味は野球です。野球はチームワークが重要だと考えており、野球を通してチームワークを学ぶことができました。私はピッチャーをやっていたのですが、守備を信頼できないと本気で球を投げることができません。だからこそ、守備の人達とは常にコミュニケーションを取るようにすることを心がけていました。」
→読んだところでほとんどの人が「うん、そうだよね。」としか思わない。なんの感動や驚き、新発見もない文章
【考えや価値観が面白い・新発見な文章例文】
「私の趣味は野球です。野球で学んだことはチームワーク以上に、“愛情が生み出す力”でした。愛情とは何かと思われるかもしれませんが、他のチームメンバーに対して毎日「最近調子はどう?」と何気なく声をかけてあげることで、相手は自分を気にかけてくれていると感じ、愛情を感じてくれます。すると試合での意思疎通が抜群に高まるんですよね。つまりチームワークは愛情から生まれ、愛情は自分から注ぐもの。そんな教訓を野球が教えてくれました。」
→読んだ時に「なるほど!」と思う。ほとんどの就活生は「チームワーク」止まりにも関わらず、そのチームワークを更に深堀りしているので新発見を感じる。
たしかに読んだ時に他の就活生が書いていないような考えや価値観ならば、印象に残り「会ってみたい」と思いますね。
誰でも書くような考えや価値観ならば、大量のエントリーシートの中に埋もれてしまうよね。
「なぜ」を圧倒的に深堀りすることが重要
ここまで紹介した3つのコツを押さえることができれば、必ず面接官から評価されるエントリーシートを書くことができます。
そして3つのコツを実行するために重要なことは、とにかく「なぜ」と深堀りをすることですね。
例えば例文で使った「趣味は野球」を用いて説明すると、普通の人は「野球にはチームワークが重要」ということまでしか考えません。
しかし3つのコツを押さえるためには、この「野球にはチームワークが重要」に対して「なぜ」と深堀りすることが重要なんですよね。
「野球にはチームワークが重要」
↓ なぜチームワークが重要?
「1つのポジションが弱いだけで失点をしてしまい試合に負けるから」
↓ なぜ1つのポジションを強めるのにチームワークが重要?
「チームメンバー全員が「他のメンバーのために頑張りたい!」という意思を持つことで強さにつながるから」
↓ なぜ「他のメンバーのために頑張りたい!」という意思が勝ちに繋がる?
「他のチームメンバーを愛していると、自分だけでなく皆のために勝ちたいという思いを持ち、それが力や努力に変わるから」
ここで「なぜ(Why)」による深掘りをし切ったと感じたら、次に「なに(What)」を問いかけることで、新たに考えを深掘りすることができます。
【「なに」を問いかけて考えを更に展開してから「なぜ」を問う】
「他のチームメンバーを愛していると、自分だけでなく皆のために勝ちたいという思いを持ち、それが力や努力に変わるから」
↓ 他のメンバーに愛されるために“なに”をした?
「毎日何気なく「調子はどう?」とメンバーに聞くようにしていた」
↓ なぜ毎日何気なく「調子はどう?」と聞くことで愛情が生まれる?
「聞かれた側は「自分のことを気にかけてくれているんだ」と安心し、必要とされていることを実感するから」
↓ なぜ聞かれた側は「自分のことを気にかけてくれているんだ」と安心し、必要とされていることを実感するのか?
「人は他人から気にかけてもらっていると感じると、その人から必要とされていると感じるとともに、その人に対し信頼を示す。つまり愛情を感じ、注ぎ合うから。」
このように深掘りをする就活生はほとんどいません。
「なぜ」により自分の考えや価値観をとにかく深掘りし続けることを、僕は「圧倒的なぜ」と呼んでいます。
圧倒的なぜにより、なぜを繰り返すとどんどん本質に近づいていきます。そして、こうした本質を語れる人は優秀だと判断され、評価されます。
面接でも事前に「なぜ」によって深掘りができていれば、何を聞かれても答えることができるのです。
たしかに自分の考えや価値観は意識的に「なぜ」を問いかけないと「なんとなく」としか回答できませんね。
そのとおり!面接で何を質問されても答えられる人は、事前に「なぜ」を深掘りしている人なんだよ。
【例文】コツを押さえた評価されるエントリーシート
途中でも野球を元にした例文を紹介しましたが、ここで改めてその例文を完成させておきましょう。
ぜひ読んでみて、「趣味は野球」からここまで深く語れる就活生が何%いるのか考えてみてください。
僕が断言できることは、これまで数百のエントリーシートを添削してきましたが、「なぜ」による深掘りができていて、一読して「面白い!会ってみたい!」と思うエントリーシートは1%もなかったことです。
【ES作成の3つのコツを押さえた例文】
「私の趣味は野球です。野球で学んだことはチームワーク以上に、“愛情が生み出す力”でした。愛情とは何かと思われるかもしれませんが、他のチームメンバーに対して毎日「最近調子はどう?」と何気なく声をかけてあげることで、相手は自分を気にかけてくれていると感じ、自分が必要とされていることを実感します。すると私からの愛情を感じ、その愛情を返そうと試合で120%の力を発揮してくれるのです。つまりチームワークは愛情から生まれ、愛情は自分から注ぐもの。自分から注ぐことで相手は帰してくれる。そんな教訓を野球が教えてくれましたし、「自分から常に人に与える」という姿勢を今後社会人になってからも意識して行動します。(297文字)」
本日の記事はいかがだったでしょうか!
書き終えた感想としては「本当にこの3つのコツを押さえたエントリーシートは強いぞ!」ということです。
今までESを添削してきて、これらを押さえたエントリーシートはほとんどありませんでした。だからこそ押さえるだけで他の就活生と差別化することができます。
更に言えば、こうした文章が書ける人、深い考えを語れる人は仕事もうまくいきます。会話した時に相手から理解されるスピードが早くなり、かつ「考えが深い人だ」として信頼されやすいからです。
このように身につければいい事尽くしなので、最初は難しいかもしれませんが、じっくりと時間をかけて確実に押さえられるようにしてくださいね!
今日も読んでくれてありがとう。
君の就活はきっとうまくいく。
ーまた次回もお楽しみに。本日もありがとうございまシューカツ!!ー